ファミリアに所属しちゃったようです
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です」
「どうも、ナンバ・式と言います」
ビシッと体を直角に曲げてお辞儀をする。
バルドル様、とハーチェスさんがいうのだ。彼女こそがここ、【バルドル・ファミリア】の主神、バルドル様なのだろう。
「うん、僕はバルドル。この弱小ファミリアの主神だよ」
顔をあげてよ、と言われたので言われた通りにした。
俺よりも頭一つ分くらい小さい金髪紅目の女神。残念なことに胸は……おっと、これはいってはいけないな。
「勘違いしてるようだったら言うけど、これでも僕は男神だからね?」
「うえっ!?」
マジですか!?
隣を見ると、ハーチェスさんがやっぱりかーと苦笑いを浮かべていた。
「最初は僕も間違えたからね」
「ま、まさか男の娘がくるとは……」
「ん? 式君、どうしたのかな?」
「あ、いえなにも」
つい口に出てしまったが、相手は神様なのだ。
言葉は選ばないとな。
「それで? なにか用があったんだろ?」
「あ、はい。実はですね、式君がうちのファミリアに入りたい……と」
「…………へ?」
バッ!!とものすごい勢いでバルドル様が振り向いた。
一瞬、残像が見えるほどに。
「ほ、ほほほほ本当なのかい!?!?」
「あ、はい。そのつもりで来たんですけど……」
「ヒャッホォイ!!」
見た目とは想像もつかないような喜び方をするバルドル様。
何かもう立ったままその場で小躍りを始めてしまっている。
ハーチェスさんはじきに収まるから、と終始苦笑い。
俺は軽く引いていた。
少しの間だけ続くバルドル様の躍りの間に、俺はハーチェスさんと話すことにした。
「げ、元気な神様ですね……」
「うん。僕もそう思うよ。でも、何よりも眷族のことを考えてくれているだ。 いい神様だよ」
そう言ったハーチェスさんは、どこか誇らしげな目で目の前で奇妙な躍りを披露するバルドル様を見ていた。
ーーーーーーーーーー
「さ、さて、式君。 本当にいいんだね?」
「はい。もちろんです」
先程まて奇妙な踊りを披露していたバルドル様は、暫くすると、ハッとなって顔を赤らめるというなんとも可愛らしい(男神だけど)仕草を見せてくれた。
目の前でさっきのことは忘れてくれと懇願するバルドル様のその様子にニヤニヤが止まらない。
「式君、バルドル様が泣いちゃうから」
「うぅ……ハーチェス、僕はこんなことで泣かないよ!」
ハーチェスさんの言葉に、バルドル様がウガーと叫ぶ。
あれだな、いいコンビだ。
「まぁ、俺としましても何処かのファミリアには所属するつもりでしたし、願ったりかなったりなんで
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