ファミリアに所属しちゃったようです
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
わるはずだ。
アサシンの力があるとはいえ、調子に乗りすぎるのも良くないだろう。自重は大事だ。
すでに自重できていない感が半端無いが……うん、気のせいだろう。
恩恵も授からずにダンジョン潜っている奴とか、俺は知らん。
兎に角、四階層までいこうと、三階層はと続く階段を降り、勢いそのままに四階層へと降り立った。
ここである程度モンスターを狩ったら戻ろうと思っている。
懐の魔石がちょっと重いしね。
「……ん?」
階段を降りて少し経ったくらいの時間だろうか。
通路の奥から戦闘音が聞こえた。
間違いなく冒険者だ。
「……興味あるな……」
生で他の冒険者の戦い方を見るというのは、我ながら良いアイデアだな、と自分自身を誉めながら通路の奥に急ぐ。
早くしないと、冒険者が戦闘を終わらせているかもしれない。
アサシンのステイタス、敏捷A+は伊達ではなく、直ぐに現場についた。
だが、そこでみたのは、予想していたのと全く逆の状況。
複数のコボルトに囲まれた一人の男の冒険者が満身創痍の状態で戦っていた。
…………って!ピンチじゃん!?
男はなんとか、盾と剣で凌いではいるが、それも時間の問題だ。
いつ攻撃を喰らって殺られても可笑しくはない。
それに、助けるにあたる十分な価値もある。
ソロということはつまり、他に仲間がいないということ。同じファミリアのメンバーでパーティを組むのが普通だが、それが無いのを見るに、男のファミリアは一人しかいない零細ファミリアの可能性がかなり高い。
これで恩を売るということもできる。
正直、こんな考えが浮かんでしまうのはどうかと思うが、世界はそこまで甘くないのだ。
全ての人を助けたいなどという崇高な理念なんぞ、俺の中には皆無である。
「……と、考え事してる場合じゃねぇな」
男の盾が弾き飛ばされ、状況が悪化している。
敵は六匹。死体が八匹あるのを見るに、かなり頑張ったのだろう。
『ガァァッ!!』
「クソッ……!!」
丁度、生きているうちの一匹が男に襲いかかった。
疲労で顔色の悪い男は、悪態をつきながらも残った剣を構える。
諦めれば死ぬ。それがダンジョンなのだ。
だが、アサシンの敏捷は凄かった。
一瞬で飛びかかっていたコボルトの胴を斬り裂き、勢いそのままに男の周りを囲んでいたうちの一匹の首を跳ねた。
「……は?」
何が起きたのか分からなかったのか、男は口をポカンと開けて俺を見ていた。
何だその顔は。俺が笑うぞ。
「……助けはいるか?」
「あ……あ、ああ! 助かる!」
「よしきたぁ!!」
許可をもらった俺は数分もしないうちに残ったコボルトを斬り殺すのだった。
ーー
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ