暁 〜小説投稿サイト〜
蒼き夢の果てに
第6章 流されて異界
第118話 歴史改竄
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連続でボール球ばかり投げ続けるヘボピッチャーやからな。
 軽口。しかし、目は笑っては居ず、更に多少の龍気を籠めての台詞。まして、今回は風切音が聞こえたかも知れないけど、それでも有る程度の距離を置いた位置を通過させた心算。もし、これで立ち上がって来たら、次はもっと近い位置を通す予定。

 そもそも、俺のコントロールは体幹を鍛え、それに綺麗な投球フォームを身に付ける事によって得られた正確無比のコントロール。おそらく、プロ野球の投手でも俺よりも精確に狙ったトコロに投げ込める人間はいない。
 ナイフドコロか、磔用(はりつけよう)の釘すらも自在にコントロール出来る人間が、投げて打つ為に作られた野球のボールを自在にコントロール出来ない訳がないでしょうが。神話的な理由以外にも、自在にコントロール出来るから、武器として釘を使用しているのですからね、俺は。
 そんな人間の投げる球を十六球もボールと判定してくれたのですから、それなりの罰は負って貰わないといけないでしょう。

 笑っていない瞳で座り続ける主審を睨み続ける俺。無様、としか言い様のないその姿。当然のように、その姿は六組の応援団によって動画へと残されている。
 これは自業自得ですかね。以後の高校生活に多少の不都合が生じる可能性もありますが、そんな事は俺の知った事ではない。それに、俺からしてみればそれでも軽いぐらいの罰となる、と思うのですがね。この試合の勝敗には俺の生命が掛かっている可能性が大。更に言うと、クトゥルフの邪神がここを踏み台にして、更にこの世界に対して介入を行えば、それイコール世界の破滅に繋がる可能性も有ります。

 何故ならば、この長門有希が暮らして来た世界は、一九九九年七月七日の夜に異世界からの介入を許し、その結果、完全に回避出来て居たはずの黙示録が再現され掛けた過去があるのです。
 もしも同じ事が再び起きて、世界自体が危機に陥った場合、この男はどうやって責任を取る心算なのか。そう言うレベルの話ですから。

「後、イニングの間にトイレに行って置く。審判をするのなら、それが最低限の礼儀だと俺は思うけどね」

 グラウンドに不自然な形で座り続ける主審に最後に一瞥をくれた後、有希と共にマウンドへと向かう俺。
 この後、しばしのタイムが掛けられたのは言うまでもない。


☆★☆★☆


 審判団すべて体育教師へと交代した後、決勝戦は何事もなかったかのように再開した。
 尚、俺の速球に……と言うか、報復にビビったすべての審判が、更にこの後も続く可能性のある報復を恐れ、交代を申し出ると言う異常事態を発生させたのですが……。
 当然、この時にこちらに何故そんな事に成ったのかを説明出来る証拠がある事を伝えて、試合の後に提出する旨を大会の運営委員――つまり、生徒会と教職員の
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