第17話
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、最悪袁家は二つに割れる」
「っ!?」
そして内乱が起き目標から遠のく、なまじ穢れの無い劉備の理想は多くの人間を惹きつけ、巨大な派閥となり袁紹と対立するかもしれない――、彼はそれを何より危惧していた。
「……じゃあ私達は歓迎されないのですか?」
「今のままなら……な」
「今のままなら?」
左様――と頷いて袁紹は言葉を続ける。
「とりあえずは今まで通り旅を続けるが良い。そして諸侯の太守やそのあり方を見て学び、先ほどの我の質問にもう一度答えて見せよ、……その時には答えを得ているはずだ」
「――わかりました」
………
……
…
劉備達三人が退出すると、静観していた星が口を開き
「逃がした魚は大きいですぞ?」
「ほぉ……関羽と張飛か?」
「然り、あの二人はかなりの使い手ですぞ」
出来れば手合わせしたかった――。と少し頬を膨らませた。
「心配はあるまい。道を踏み外しさえしなければ再び再開出来よう。それに――」
彼女達が出て行った扉に目を向ける。
「その時には我が陣営に相応しい英傑に成長しているだろう」
………
……
…
劉備達との一件から約半年、ついにその時は訪れた。
――黄巾の乱である。各地に頻発した飢饉、疫病、賊、そして宦官の専制政治による重税に農民達の感情が爆発。
張角を代表に『蒼天すでに死し、黄天まさに立つべし』との言葉を掲げ、漢王朝に反旗を翻した。
これに対し漢王朝は各地に黄巾討伐を勅旨、そして袁家は――
「桂花!」
「ハッ、資金、物資や食料、共に準備は完了しております」
「風!」
「はい、勅旨を合図に動く手筈、整っておりますよ〜」
「ならば良し! さぁ派手に! そして豪快に!! 大陸全土に袁家の名を轟かせようぞ!!」
袁紹とその頭脳達による『黄巾の乱』に対する大計略が始動した。
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