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恋姫†袁紹♂伝
第17話
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、白蓮ちゃんを手伝ってきます!」

「う、うむ」

少し不安が残るが、後は関羽の手綱を握る能力に期待するしかなさそうだ。

「……そういえば、お姉さん達は別の用件があったのでは?」

「あ! 実はそうなんですよ!!」

「むしろそちらが本題になります」

風の言葉に、待っていましたと言わんばかりに声を張り上げる。

「先ほども話した通り、私達は人助けの旅をしています」

「うむ、何か理想があるのか?」

「っ!? そうなんです!! それで、袁紹様にどうしても聞きたいことが……」

それまで喰らい付くような勢いで声を出していた劉備だったが、最後の方は小さく呟くような声になっていた。

「私達は『皆が笑って暮らせる世』を目標に人助けの旅をしています。でも……世の中は荒れていく一方でした」

「……桃香様」

「うん、大丈夫」

関羽に声を掛けられ、劉備は顔を上げて言葉を続ける。

「どうしたら……、どうしたら南皮の皆のように、大陸全ての人を笑顔にできるのでしょうか? お願いします! 教えてください!!」

「私からもお願い致します」

「……鈴々からもお願いなのだ!」

そう言って頭を下げる三人、(約一名、意味がわかっているかどうか怪しいが)に向かって袁紹は答えた。

「その答えは簡単だ。大陸全土を此処と同じにすれば良い」

「こ、ここと?」

袁紹の口から出た突拍子も無い言葉に思わず首を傾げる。

「我が袁家の領地では、衣、食、住の三つを民に保障している。衣服があれば人として生きられ、食料があれば飢えることはなく、住処があれば家庭を育む事が出来る。
 その三つが満たされて民達は、賊に身を堕とす事無く生を成就できるのだ」

「……凄い」

「た、確かに、しかしそれは――」

素直に感心した様子の劉備に対して、関羽は言葉を詰まらせる。それもそのはず。
 袁紹の提案は自分達の漠然とした理想を形付けるほど素晴らしいものだ。実際に南皮のような実例もある。
 しかし、なまじ現実的だからこそ、その途方も無い道程の険しさが彼女には――いや、彼女達にはわかった。

疲弊しきった大陸、力を失いつつある漢王朝、増加する一方の難民と賊達……、今の状況では期間を予想することですら出来なかった。

大陸の状況を憂い顔を俯かせる劉備、途方も無い話に苦い顔の関羽、自身の容量を超えてしまったのか頭を抱える張飛。
 袁紹はそんな彼女等に対して笑顔で言葉を続けた。

「途方も無い時間が掛かるであろう……。しかし働き次第でその時間は短縮出来る。そして――」

「「「……」」」」

「その三つを大陸全土で満たすのが我が目標『満たされる世』である!!」

「「「!?」」」

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