第17話
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荒げる。
「まぁ待て桂花、火急の用かもしれぬ」
「うぅ……、すみませんでした」
そんな彼女の頭を落ち着かせるように撫で、兵に続きを促した。
「それで、何用だ?」
「ハッ、実は袁紹様にお会いしたいと言う者が来ておりまして……」
「……?、何か問題があるのですか?」
袁紹に謁見を頼む者は多い。今のように呼び出されるのは日常茶飯事であるが、何故か兵士は言い淀んだので、疑問に思った風が質問した。
「それが……、相手は食い逃げ犯でして――ヒィッ!」
言い辛そうに理由を語った兵士が再び悲鳴を上げ、彼の目線の先を見てみると、およそ文官には出せない殺気を滲ませている桂花の姿があった。
「……何で麗覇様がその様な輩にお会いすると?」
膝の上に座るという至福の時間になるはずだった行為を邪魔され、尚且つ食い逃げ犯が謁見を求めているという前代未聞の報告に、桂花は堪忍袋が切れる寸前だった。
「お、落ち着いて下さい桂花さん、他に理由があるから彼は報告に来たんだと思います」
「……斗詩がそう言うのなら」
怒気を一旦抑えた彼女に兵士は安堵し、報告に来た理由を話した。
「た、助かりました顔良殿、実はその三人の内一人が、幽州太守である公孫賛殿の名を持ち出しまして……」
「む、白蓮の名をか」
「はい、何でも同じ師の下で学んだ友人同士だとか」
私塾で袁紹と共に学んだ白蓮とは今も交流が続いている。ひと月ごとに文のやり取りをし合い。
二人が真名を交換した間であることは袁家で周知の事であった。
「嘘偽だとも思いましたが、事実である可能性を考え報告に参りました」
「なるほどな、その者達の名は何と言う?」
「ハッ、今申した者が劉備、それに仕える二人が関羽、張飛という名です」
「劉備……」
「おや? 主殿はその者達をご存知で?」
兵士の口から出た名前に僅かに反応してしまい。星が目敏く質問する。
「いや、知らぬ名だな」
「左様ですか……」
流石に史実で知っているとは言えず否定する。星は納得していない様だが、特に追求する気も無いようだ。
「興味がある。その食い逃げ犯に会おうではないか」
「――麗覇様?」
立ち上がりながら、劉備達に会うと言った袁紹に、風が何か言いたそうなな視線を向けながら声を掛ける。
袁紹はその視線に対して頷き、彼女の懸念を払うために口を開いた。
「その三人を謁見の間へ、その際には武器の類は取り上げよ、斗詩、猪々子、恋、星の四名は我の護衛に付け」
「はい!」
「かしこまり!」
「……(コクッ)」
「承知致しました」
「そうだ、何なら桂花達も――」
将来大陸を動かすかもしれ
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