第一七話「世界の核」
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ディリー=タングルロードが用意したものと同型機である。警備員相手に微動だにしなかったそれは、学舎の園を襲おうとする不届き者に対しても鉄壁の守りを誇っていた。一体でも無理なのにそれが三体もいるのだ。いわゆるオーバーキルである。
それらが守る中、8箇所の入り口に集結しつつある影があった。
風紀委員の少女たちだ。
少数だが、この街に遊びに来たり、パトロールなどで偶然いた彼女たちは、それぞれで連絡を取り合い、それぞれが一番近い入り口へと集結していた。
警備ロボがテロリストをなぎ払う様を見ながら、初春飾利はつぶやく。
「……正門ゲートを囲んでいる勢力の内、残りのは10人ちょいだと思います」
学舎の園の壁に取り付けられた監視カメラを一時的に借り、外の様子を覗き込んでいた彼女は、正確にこの場の状況を自らの相棒である白井黒子へと伝えていた。
「了解ですの。このぶんなら、早目に場の鎮圧が見込めますわね」
「はい。……ただ」
抱えたパソコンを覗き込む初春。そこには学園都市中の風紀委員から次々と様々な場所で起こり始めている騒動についての情報が、引っ切り無しに届けられていた。一部で電波のシャットダウンが行われているところを入れれば、その数は更に膨大な物になるだろう。
「問題はこの街を抜けた後ですわね。……学舎の園の内にいる一般人は備え付けられた各所のシェルターから外に脱出するとして……私達はどうしたら…」
「とりあえず、御坂さんと合流しした方がいいと思いますよね」
と、横から聞こえてきた声、本来ならここにいてはならないはずの声に、初春はギョッとする。
その声の主は
「さ、佐天さん!?他の一般人と一緒に風紀委員の指示で脱出するように言ったじゃないですか!」
「あはは、それがさ……イテッ!」
学舎の園に一緒に訪れていたものの、ここにいるはずがない初春・白井の友人、佐天涙子が罰が悪そうに笑う。どうにも理由らしき物を言い出すのかと思えた佐天だったが、それは白井から与えられたゲンコツによって打ち切りとなった。
「まったく………だんだんと変なところがお姉様に似てきましたわね、佐天さん」
「あ、いや御坂さんほどでは……」
「……確かに、お姉様がこの事態に手をこまねいて何も首を突っ込んでいないというのはあり得ないですが……。ともかく、私が送り届けるので、貴女は一般人と一緒に脱出してください。いいですわね?」
呆れながら佐天を言い聞かせるように小言を言う白井。この白井黒子という少女。普段(彼女がお姉様と呼ぶ相手、御坂美琴がいる前)は奇行が目立つ白井だが、公私混同はかなりしっかりしている方だ。常に風紀委員の仕事に御坂や佐天という一般人を巻き込まないように動いているし、誰よりもこの学園
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