第一七話「世界の核」
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の中には、太陽と呼ばれる恒星があり、それが太陽系と呼ばれる領域にてそこの物理的中心になっていること。
太陽系の第3惑星に、生物が暮らすことできる環境を持つ星が存在すること。
その星には酸素を始めとする元素が存在すること。その星には海と大陸が存在すること。そこに住む生物の中には、人類という知的生命体がいること。
それらはいずれ発展し、様々な文化や国が生まれること。そして、世界の基準点たりうる『幻想殺し』が生まれること。
……他にも大量に存在するが、大方こんなところかな」
現に、幾度となく上条を精神的に潰そうとした(今思えば些か大人気なかったことを認めよう)あの世界の塗り替えでも、今話したところは変わることがなかったはずだ。
「いくらお互いの不純物を消し合う『平均化』の魔術とはいえ、核までは犯せない。これは紛れも無い事実だ。私が、保障しよう」
「……仮に世界の、その核とやらを変えることができるやつがいたら?魔神には無理でも……ほら、俺が飛ばされた世界、北欧神話とかなんとかの神様とか。グングニル持ってる」
「オーディン……あの髭面のことか?あれは元々世界を塗り替える能力など持っていない。
そもそも、核は神でも犯せない物だ。神とは世界に準じる存在。それが世界の核たるものに影響を及ぼすことなどできるわけがない。地球そのもの、と言った自然霊や星の抑止力でも無理だな」
世界の核。それをそっくり変えることができる存在など、いてはならないのだ。
……そんなものがいてたまるか。
??
「……しかしこれは会合を早めに終わらせたほうがいいかもしれんな」
「え?なんでよ」
突然会合の終了を早めたほうがいいと言い出したオティヌスに、琴里は反論を申し出る。この会合は重要な意味も持つものだ。今回世界を融合させた者の使った手段については納得できたが、それ以外にも分からない点は多い。そこの情報交換は積極的に行おうと思っていたのだ。まだ会合を終わらせるわけにはいかない。
確かに、眼下の学園都市では今謎のテロ組織だのなんだのと、大きな騒ぎが起きていることも理解している。先ほどから浜面と滝壺と連絡ができないことも気掛かりだ。だからこそ、ここでの情報交換は重要なのだ。
そして、その意味を理解していないオティヌスでは無いだろう。だから彼女が突如そんなことを言い出した理由が知りたかった。
「簡単だ。私も一度こいつを狙ったことがあるからよく分かる」
そう言うと目線を下に、上条に向けられる。
「私ですら魔神になりようやく干渉できるようになった異世界に悠々と干渉し、『平均化』の魔術という世界の在り方を歪めるような大規模魔術を使用した奴だ。それがこいつの右手のせいでものの見事に失敗した。
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