2巻
それぞれの帰り道×魔界からの応援部隊
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い女性魔族が現れた。魔族の登場に、滝川は俄かに表情を硬くした。
「・・・・応援はアイツらだけだと聞いていたんだが?」
「その通りです。ですから、私は貴方の応援ではありません」
「だったら・・・・ゾルギア候の懐刀が、わざわざお出ましになった理由は何だ」
そこにいたのは、滝川の前に澪を監視していた高位魔族で、ゾルギアの配下の者だ。一真は声を聞いただけでもしかしたらアイツかと思って、偵察機から見ると間違いなかった。あの時いたヴァルガの他にいた魔族で、名はゼストだったか。諜報からの情報だと、頭脳と実力、その両方でゾルギアが最も信頼されている存在だと魔界にいるスパイから聞いた。
「ゾルギア候はもう、成瀬澪の監視任務から離れられている。配下とはいえ対象に接近するなんて勝手な真似、よもや陛下からのお許しを得ずにやっている訳ではないだろうな?」
「勿論。陛下から成瀬澪の監視役の任を解かれる前、ゾルギア閣下は布石に打たれていました。その事はラース・・・・貴方もご存じの筈です」
ゾルギアは監視任務から外されたが、成瀬澪に対して罠を仕掛けていた。その罠はまだ活きている事を知っているのは、ここにいる魔族と魔界にいる諜報員だけだ。俺は偵察機越しで聞いていたから、一瞬何の事だ?と思ったが送られてきた情報により納得した。罠が活きている事をまだ俺に伝えていない様子だが、滝川は偵察機で聞いているからどうせもう知っているのだろうと思った。
「あれからこちらの世界では半年以上が経過しています。例の布石が今もきちんと有効に働いているのか、確認するために私が来たのです。・・・・陛下のご許可もきちんと得て。だからそのためには、ゾルギア閣下が監視任務を離れてから現在までの状況を正確に把握する必要があります。協力して頂けますね、ラース」
向けられた冷たいに、滝川は心の中で舌打ちと共に偵察機越しで聞いていた一真も厄介な事が起こりそうだと感じた。滝川の心内では、下手にゼストに調べられたら余計な事まで探られてしまう所かこちらの腹の底まで覗かれてしまう。一真と結んだ協力関係については、第三者からはその線を手繰られないように細心の注意を払っているが、単純なパワーバカな三つ子とは違ってゼストはゾルギアの右腕なのは伊達ではない。
更に言えば、一真のドラゴンやら神の力については伏せて報告していた。下手にドラゴンや力を知れたら、間違いなく一真の存在はヒートアップしてしまうからだ。全てを消し去る剣術や魔法を使うから、澪の中で眠るウィルベルトの力を簡単に消し去る事は可能だからだ。なので、この事は滝川が所属しているもう一方の勢力側にも伝えてはいない。滝川自身、まだ一真の力を完全に知った訳ではない。下手に報告すれば、かえって事態を混乱させてしまうが実力はここにいるゼストで
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