暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
GGO
〜銃声と硝煙の輪舞〜
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た。

「レン……これって…………」

「あぁ。……どうやらアタリだ」

見つかった、と。

少年は、その少女のような華奢さが見受けられる顎に冷や汗を滴らせながら、そう言った。

視線、視線、視線。

しかし、それらの視線をすべてなきものにするような圧倒的な《異物》が、そこにはあった。

本来、レン達はなるべく派手な行動で件の《死銃》なるプレイヤーに接触するため、BoBに出場しようとしていた。一回目がGGO内最強のプレイヤー、二回目が最大のスコードロンの長。《死銃》が強いプレイヤーしか相手にしないのは明白だからだ。

しかし、レンとユウキは心のどこかでやはり油断をしていたのだ。自分達は仮にも、"あの"SAOを、最強たる六人の一角に収まった状態でクリアした者なのだ、と。

それは確かに正しいだろう。《六王》の地位は実質、それを表すようなものなのだから。

だが、二人は大きな思い間違いをしていた。

いつの時代も、強者が永遠に強者たりえたことなどない。同様に、どれほど栄華を極めたものでも、いつかは堕ちる。

盛者必衰。

広いドームの()()()()()から濃密な殺意が暴風のように打ち寄せてくるのを感じ、ユウキのノドが鳴った。

いる。

否、()()()()

確かシゲさんからもたらされた情報によれば、二人のプレイヤーをこのGGO内で銃撃したのは一人という話だった。

だが、これは何だ?と《絶剣》と呼ばれた少女は思った。

―――この視線の数は……なに!?










十四時五十一分。

遥か遠くで一組の男女が走り始めたちょうどその頃、総督府にゆらりと入ってくる一つの影があった。

伸長はそれほど高くはない。アメリカ原産のゲームゆえに、与えられるアバターも高身長高体重高筋肉が多いGGOではあるが、そのアバターは百七十に届くか届かないかという高さだった。しかし、全体的にひょろりと細い横幅のせいで、どことなく実質的な数値より高く見えてしまう。

装備もまた変わっていた。

アバター素体を外気に触れさせないとまで言える、頭の先から足首まで覆い尽くすボロボロのギリースーツ。しかし通常では密林(ジャングル)などで敵に見つからないように草や木の葉などに似せた細工をするところを、それとは真逆の砂漠戦闘時に使用するサンドイエロー一色に塗り替え、表面は砂にでも見せかけたいのかザラザラとした触感の布が使用されていた。

また、ただでさえ目深に下ろされたフードによって見にくい顔は、全面型のガスマスクによって覆われていた。

だが、いかなるカスタマイズによってか、それは一面のっぺりとした仮面のようになって
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