暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
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。しかし、自分達はこの世界に、いやこの大会に心底から遊びに来ているのではない。
《死銃》なる謎の殺人者が心意の力を振りかざしているのか、それとも未知なるテクノロジーを使用しているのかはまだ定かではないが、それでもゲーム内でリアル情報を晒すことは考えるまでもなく賢明な行為だとは考え難い。後背の憂いは針の先っぽ分くらいでも断ち切っておくべきだ。
「僕だって優勝賞品が気にならないって言うのは嘘になるけど、それでも死んじゃうよりはマシでしょ」
「そりゃまぁ、そうだけど」
ぶーたれる少女に対して思わず頭を抱えたくなってきたレンは、そこでちょうど選手登録が終わったらしきリラとミナに視線が合った。
「早いわね。そんなに急いで打ったら、打ち間違いがあるかもよ」
にひひ、と意地悪く笑う彼女には悪いのだが、早かったのはあまりにも入力することがなかっただけだ。打ち間違いどころか、打ち間違うような箇所を探すほうが難しいくらいだ。
「ところで、この後はどうするの?」
「控室で予選開始を待つの、付いて来て」
ミナの微笑につられ、向かったのは総督府一階ホールの正面奥へと向かった。その窓際にはエレベータが何台も並んでいて、一番右側の下降ボタンが小さな掌で押される。
すぐに扉がスライドし、少女達はするりと中に踏み込むと、今度は【B20F】のボタンに触れた。どうやらこのタワーは、上にも下にも長いらしい。リアルな落下勘と減速感が訪れ、やがてドアが開く。
その向こうの暗闇を見た途端――――レンとユウキは思わず目を見開くのをかろうじて堪えた。
一階ホールと同じくらい広い、半球形のドームあ。証明はギリギリまで絞られ、所々に設置された、鉄枠に覆われたアーク灯が申し訳程度の光を放っている。
床や柱、壁はすべて、黒光りする鋼板か赤茶けた金網。ドームの壁際には、武骨なデザインのテーブルがずらりと並んでいる。そして天頂部には、巨大な多面ホロパネル。しかし今現在画面は漆黒に染まり、ただ【BoB3 Preliminary】という文字と、残り二十八分弱となったカウントダウンだけが真紅のフォントで表示されている。
そして、それらのテーブルや、床から延びる鉄柱の傍にたむろする多くのシルエット――――プレイヤー。
彼らはゲームの中にもかかわらず、陽気に騒いでいるものはまったくいない。数人ずつ固まって低く囁きを交わすか、あるいは一人で押し黙っているかのどちらかだ。彼らが、間もなく開始されるBoBの予選参加者なのは明らかで、光沢のないヘルメットや分厚いフードの下からこちらへとまっすぐに放たれる、執拗なまでに情報を探ろうとする鋭い視線がそれを物語っている。
無数の射るような視線を受けながら、しかし少年と少女が気圧されたのは別の理由だっ
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