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歌集「春雪花」
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 朝来り

  儚き夢の

   残り香も

  流され君への

     想いぞ残し



 彼を想い続ける夜…それさえも朝の光りに消され、無言で現実がやってくるのだ…。

 彼への想い…その残り香さえも全て奪い去り、ただ…この想う痛みだけを残して…朝はやってくるのだ…。



 届かぬと

  解りしもまた

    詠み上げし

 想い歌いて

    夢ぞそぼ降る



 どれだけ詠んでも…彼へは届くはずもない…。
 そんなことは解り切っていることなのだ…。

 でも…詠まずにはいられない。

 この想いを歌い上げることで…もしかしたらと思うのだ…。

 淡い夢…これが私の生きる縁なのだから…。




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