第二百十二話 死装束その三
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「働いてもらうぞ」
「天下を一つにして終わりではない」
「そうじゃ、そこからじゃ」
むしろ大きいことは、というのだ。
「その泰平を長く続けてこそじゃ」
「室町幕府の時の様にはならず」
「鎌倉幕府ともな」
「先の二つの幕府はお世辞にも」
「そうじゃな」
「力が弱いものでした」
そしてそれによってなのだ。
「天下はすぐに乱れました」
「そうならぬ為にじゃ」
「それがし達にも」
「働いてもらうのじゃ」
これが信長の考えだった。
「ではな」
「これより」
こう二人で話してだった、利休の茶も楽しみ。
政宗は信長に正式に降った、伊達家自体も降りそうして織田家の中に完全に入ることになった、そしてであった。
「伊達家もじゃ」
「他の家と同じくですな」
「うむ、伊達家は四十万石としてじゃ」
そうして、というのだ。
「後はじゃ」
「織田家のものに入れ」
「そしてですな」
「家臣達も独立させる」
「そうするのですな」
「そうじゃ、そうしようぞ」
こう言うのだった。
「わかったな」
「さすれば」
「そしてじゃ」
さらに言う信長だった。
「これでじゃ」
「はい、遂に」
「戦が終わりましたな」
「この度の」
「皆ご苦労であった」
信長も確かな顔で家臣達に応えた。
「これま長い戦じゃったがな」
「ようやく終わり」
「それで、ですな」
「安土まで引き揚げ」
「そうして」
「論功を行い宴の後でな」
まさにそれから、というのだ。
「休みじゃ」
「天下の政を行う」
「そうされますな」
「そうする、まだ奥羽のかなり部分と九州が残っておるが」
それでも、というのだ。
「とりあえず今の戦はこれで終わりじゃ」
「では」
「安土に戻り」
「そうしてですな」
「暫くは」
「政に専念するわ」
これが信長の考えだった。
「よいな」
「はい、さすれば」
「その様に」
家臣達も信長のその言葉に応えた。
「ではこれより」
「戻りましょうぞ」
「皆の者安土じゃ」
実際に信長もこう言った。
「安土まで戻るぞ」
「はっ、では」
「いざ安土に」
皆意気揚々とこう応えてだった、そのうえで。
信長が西に東に動かし多くの勢力を降した二十万の兵は奥州から関東に戻りそこから東海道を登ってだった。
安土に戻った、そしてその安土城でだ。
論功を行った、そこで信長は家臣達にだ。
多くの領地だけでなく茶器や武具、馬も与えた。それで家臣達は唸ってだった。こう言うのだった。
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