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美しき異形達
第五十二話 来訪者その二

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「かなり激しい」
「ううん、忍者みたいね」 
 家が忍者である菊の言葉だ。
「これは手強いわね」
「相当や体力を使う攻撃だけれど」
 向日葵は怪人達の激しい動きから言った。
「けれど」
「うん、怪人達は相当に体力があるから」
「だからね」
「薊ちゃん達との戦いの時位はね」
「あの攻撃を続けられるわね」
「普通にね」
「じゃあ相手が疲れるのを待っても」
 所謂持久戦に持ち込んでもとだ、向日葵もその辺りを察した。
「勝てないわね」
「ええ、そうしても」
「このまま相手の動きを見ても」
 菫はその場を動かず今は攻撃を防いだりかわしたりしているだけの薊と黒蘭を見てそうして目を鋭くさせた。
「何もならないわね」
「ええ、けれどそのことは」
 その菫にだ、菖蒲が話した。
「二人がね」
「一番わかっているわね」
「そのことは間違いないわ」
「そうよね、それに」
 菫はここでこのことを詩的した。
「二人共ね」
「そう、動きは素早いわ」
 薊も黒蘭も激しく動き戦うタイプであることも話された、この辺りは菊も同じだ。
「俊敏でね」
「ジャンプ力もあるから」
「今戦っている怪人達にも負けていないわ」
 その動きはというのだ。
「間違いなくね」
「そうね、けれどどうして今は」
「見極めね」
 菖蒲はここでこう言った。
「今は」
「見極め?」
「ええ、相手の動きをね」 
 戦っている怪人達のそれをというのだ。
「そうしているわね」
「まあ薊ちゃんと黒蘭ちゃんなら」
 鈴蘭は極めて落ち着いていた。
「大丈夫よ」
「鈴蘭ちゃんはかなり」
「そう、普通にね」 
 鈴蘭は裕香の言葉ににこりと笑って返した。
「安心してるわ」
「二人が勝つって思ってるのね」
「ここで二人がやられる筈ないから」
「どっちの怪人も相当強そうだけれど」
「ジャガーと虎だからね」
 どちらも猛獣だ、それもそれぞれの地域で最強と言っていいまでの。虎に至ってはライオンよりも強いとさえ言われている。
「物凄く強いわよ」
「それでもなのね」
「確かにどっちも相当に強いけれど」
 それでもとだ、また言う鈴蘭だった。
「二人はもっと強いから」
「だからなのね」
「全然平気よ」
「薊ちゃん達がもっと強いから」
「全然平気よ」
「そういうことね」
「まあ見ていていいわ」 
 鈴蘭はにこりとさえ笑って裕香に言った。
「これから二人がどうして勝つかね。むしろ」
「むしろ?」
「私が気にしているのは伯爵達よ」
「サン=ジェルマン伯爵とカリオストロ伯爵ね」
「そう、あの二人よ」
 問題は彼等のことだというのだ。
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