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オズのベッツイ
第十幕その十一

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 自分からお花をそのコップに挿し入れました、それが済んでからです。
 ベッツイはそのコップを手に取ったまま行こうとしました、ですが。
 カエルマンはそのベッツイを呼び止めてです、こう言いました。
「ちょっと待ってくれるかな」
「どうしたの?」
「そのまま持って行くとね」
「あっ、転んだりしたら」
「うん、危ないよ」
 だからだというのです。
「ここは手に持つんじゃなくて」
「何かに入れて」
「そのコップごとね」
「そうして持って行った方がいいわね」
「うん、そうしたらどうかな」
「その通りね、けれど」
 ここでベッツイは考えるお顔になってカエルマンに返しました。
「どうしてコップを入れるか」
「ううん、そのことが問題だね」
「何かあるかしら」
「それだったらね」
 ここで言って来たのはハンクでした。
「僕が背中に乗せてね」
「そうしてなのね」
「運んだらどうかな」
 こうベッツイに提案するのでした。
「僕は動いても揺れないからね」
「そうよね、ハンクはね」
「バランスがしっかりしているせいか」
「貴方の動きはそうなのよ」
 いつも乗せてもらっているベッツイだからこそよく知っていることです。
「バランス感覚がいいから」
「揺れないよね」
「確かにね」
 ベッツイはハンクの言葉に頷きました、それで。
 あらためてハンクにです、こうお願いしました。
「それじゃあコップを乗せていいかしら」
「うん、いいよ」
「一応ちゃんと鞍の上に固定させてね」
 ハンクの背中の鞍にお花と水を入れたコップを置いてです、そのうえで。 
 そのコップを鞍の上にベッツイが持っている便利なものが沢山入っている鞄からです。接着剤を出してです。
 くっつけました、こうしてなのでした。
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