第二十五話
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イト・ゴーレムの目を俺に向けさせる。
……これで三回、連続使用はあと二回ということなので、若干旗色が悪い。
「ちッ……!」
厄介であろう、片腕の剣を狙うものの、硬すぎて日本刀《銀ノ月》でも斬れない。
剣を斬ることは諦めて、まずは敵の考察から入る。
まず、先のマッシブェイト・ゴーレムと違うのは、HPの総量。
流石のSAOでも、HPが0になってから復活するのはルール違反なのか、総HPがマッシブェイト・ゴーレムの三割しかない。
だが代わりに、スピードが速くなっている……所詮はゴーレムで、俺に及ぶ程ではないが。
そして、最大の変更点はその片腕についた剣。
リズの症状を見るかぎり、その効果は恐らくは、『ダメージを与えたら、与えた対象を失神させること』もしくは、それに準じた特殊効果であろう。
そういう効果ならば真っ先に『麻痺』が思いつくが、リズの症状は、あれとは少し違っていた気がする。
やはり、あの失神させる剣を使用不能にすることが一番なのだが、いくら小技で攻撃しても壊れる気がしない。
ならば、大技でいくしかないのであろうが……外した場合、失神させる剣が飛んでくる。
そうなれば、俺もリズも一貫の終わりだ。
迫ってくる失神剣を日本刀《銀ノ月》で弾き、ついてない片腕の攻撃を足刀《半月》で防ぎきっているものの、明らかに不利。
前回行った足の部位破壊は、《縮地》の残り使用数が足りない……!
「これは……絶体絶命って奴か……」
一際大きい金属音を響かせ、リズがいる壁を護るようにしながら後方へと距離をとる。
少し余裕がでたために口元をニヤリと笑わせると、自然と口からは口癖が飛びだした。
「ナイスな展開じゃないか……!」
それに、ダンジョンに入る前、リズのことは護ると約束した。
約束は護る、あいつを倒すことで……!
「まずはこいつだ!」
ポケットから五本のクナイを取り出し、それぞれ別の場所に投げる。
狙いは首、胴体、片腕、両足。
狙い通りに全弾命中するも、ただでさえ硬いゴーレム系のモンスターにただ投げただけのクナイ程度では牽制にもなりはしないが、首に当たったクナイだけは、マッシブェイト・ゴーレムのHPゲージを少しばかり減らした。
「弱点は変わってないか……ッ!」
当たったクナイなどどこ吹く風、といったマッシブェイト・ゴーレムが、大きく腕を振り上げ、パンチを繰りだしてくる。
スピードはまだ遅いため、避けるのも弾くのも容易い……が。
後ろには、いまだに気を失ったままのリズがいる。
運が悪いことに位置が悪く、俺が避けるか弾くかしたら、気を失ったリズに直撃する危険がある……!
「くそッ!」
日本刀《銀ノ月》を、マッシブェイト・ゴーレムのパンチから自身とリズを防御出来るように構えて待ち構える。
「耐えてみせろよ、銀ノ月……!」
幸
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