第二十五話
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な殺意が俺の背中へと降り注いだ。
「――抜刀術《十六夜》ッ!」
本能的な恐怖。
そうとしか言えないモノを感じ、抜刀術《十六夜》を背後に向けて放つ。
結果として、その判断は正解だったと言って良かった。
背後に放った日本刀《銀ノ月》から、先程も感じた圧倒的に硬い感触が伝わってくる。
そんな感触を持つモノは、この部屋にはたった一つしかない。
「こいつ、さっきショウキが倒したんじゃ……!?」
リズの驚きのリアクションの通り、俺を再び襲っているのは先程倒した《マッシブェイト・ゴーレム》。
片足と首から上がないにもかかわらず襲ってくるその姿は、あたかも不死のゾンビであるかのようだ。
そして、俺がこいつの攻撃を防御している間に、マッシブェイト・ゴーレムの身体は治っていく。
いや、治っていくのではなく、再構成と言った方が正しいか。
より鋭く。
より速く。
より攻撃的に。
少し丸みを帯びたデザインだったマッシブェイト・ゴーレムは、その身を少し紅く染め、尖鋭的になっていた……
「ぐあッ!」
変態が完全に終わったマッシブェイト・ゴーレムは、まず自由だった片腕を使い、防御に必死だった俺を吹き飛ばした。
そして、そのままマッシブェイト・ゴーレムのターゲットは……俺に追撃することはなく、俺の近くにいたリズに移ることとなった。
「逃げろリズッ!」
飲みかけだったポーションを強引に飲み干し、当然《縮地》でリズを助けようと急ぐものの……間に合うはずはない。
残酷な現実を俺に突きつけるように、マッシブェイト・ゴーレムは、日本刀《銀ノ月》と鍔迫り合いを行った、腕が尖鋭的に変化した剣で――リズを刺した。
「あ……!」
「させるかッ!」
リズに攻撃が当たる前には間に合わなかったものの、深く刺される前になんとか助けることに成功する。
もちろん、すぐさま《縮地》でマッシブェイト・ゴーレムから離れ、先程の戦いでは安全だった扉の近くへ避難する。
「リズッ! 大丈夫か!?」
俺の腕の中で、なんだかぐったりとしたリズに向けて問いかける。
リズはさっきまでは元気であり、いくら戦闘には慣れていないと言っても、攻撃一発でぐったりするような根性じゃないだろう。
つまり、リズを刺したあの剣には、何かしらの特殊効果があるらしい。
「……ショウキ、逃げっ……」
恐らくは、マッシブェイト・ゴーレムの剣の特殊効果により意識を失いかけながらも、リズは俺に逃げろと忠告をしてくれた。
そのお礼と言っては何だが、ポケットからピンク色の回復結晶を取り出し、ボスに刺されて減ったHPを回復させ、静かに壁に座らせる。
「悪いけど、ちょっと待っててくれ――すぐ、あいつを倒すからさ」
こちらに迫りつつあるマッシブェイト・ゴーレムに対し、《縮地》の使用による奇襲攻撃で、マッシブェ
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