第6話
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目が覚める。どうやらここは保健室のようだ。
腹に手をあて自身の怪我の具合を確認するとほぼ完ぺきに治癒されている。
百代の技で臓器まで確実にやられていたと思ったが誰かが治療してくれたのか?
「目が覚めたかの?」
「学園長先生?」
「あまりに危険な状態じゃったから治したぞい」
人の体まで治せるなんてさすがだなと思う。瞬間回復を編み出した流派だ、それぐらいできるってことか・・・。
「時に龍夜君、百代の相手はどうじゃった?」
気づかれたか?
「さすがですね、もっと修行してたかもう一度闘いたいと思います」
「ふぉふぉふぉ、なかなかいい心がけじゃ」
俺は時刻を確認する。まさか1日寝てたなんてことはやめてほしい。
午後6時ではある。しかし日付は変わっていない。
「じゃあ、帰りますね。治療ありがとうございました」
礼を言い保健室から退出する。
「あの羽柱の次期当主を囁かれておる者が百代の攻撃に反応することができないなんてあり得るのかのぅ?」
龍夜が退出した保健室で1人学園長が呟いた。
「ただいま、恋」
恋はすでに帰ってきているようだった。こちらに気づくととことこと歩み寄ってくる。
「おかえり、りゅうにぃ」
「ああ、晩御飯もまだ食べてないだろ?」
恋はいっぱい食べるから大量に作らないと。
「りゅうにぃ、どうして手加減するの?」
恋には疑問なのかもしれない。敢えて実力を隠すことが。
「能ある鷹は爪を隠す、っていうだろ?」
「りゅうにぃは舞台が整ったら倒すって言った。油断させるの?」
「油断する方が悪いとは思うけどできるなら油断してほしくない」
「ならどうして?今日のは絶対に危なかった。相手かなり本気だったのに」
やっぱ本気なのか。俺もあまりの痛みに気絶しちまったからな。
「俺は見たいんだよ。川神百代の表情が驚愕に歪むのを」
今日もそこそこ良い表情だったけどあれは残念って感じが出てた。
「りゅうにぃ、ちょっと怖い」
おっと変な顔だったか?まあ俺は基本他人の驚いた顔が大好きだからな。
ちょっと怖がる恋の頭を撫でる。
気持ちよさそうにする恋の顔を見ながら今日の献立を考えることとした。
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