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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-30
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怖が宿っていた。それにセシリアとシャルロットは二人の方を見向きもしなかった。人間受け入れられないことがあると目を背けたくなるものだ。二人もそれと同じだろう。それに二人がどんな行動を取ろうが今のところ実害はないのだから。
「お疲れさま、すごかったわよ」
「お疲れ様です、兄上、博士」
「ああ、済まないが先に部屋に戻らせてもらうよ。もう疲れた」
そう言って旅館の中に入ると出撃の時よりは幾分かにぎやかになっていた。室内待機命令も解かれたらしく、何かが終わったと生徒たちも感じているんだろう。そんなにぎやかな廊下を蓮と束の二人は歩いていく。少し歩いていくと教師に割り当てられているフロアにつく。そこまで行くと旅館の喧騒から少し離れた。
二人に割り当てられていた部屋に入る。出て行くときに閉め忘れたのか、窓は全壊に開いていた。そこから夕日の光が差し込んで薄暗い部屋を照らす。窓から顔を出して外を見ると、夕日の光を海が反射してきらきらと輝いていた。水平線の向こうには半分ぐらい沈んでいる夕日が見える。
「終わったね」
「終わったよ、あとは仕掛けるだけ」
「いったいどうなっちゃうんだろうね」
「さあな、何が起こるかは分からないだろ。それに何が起こるか分かっていちゃ何も面白くない。でも、自分から動かないと何も変わらない平凡な日常が過ぎていくだけ」
「そうして行動に移してみると、この世界は異物を見るように排除しにかかってくる。やっぱり住みづらい」
「だからこの世界を変えるんだろう? その結果が成功だったって、失敗だったって関係ないんだからな」
「そうなの? 私的には結果が出ないと嫌だなあー」
「……束らしいな」
「それが束さんですから」
胸を張って少し誇らしげに言う束。そんな束を見て蓮は笑う。
「むうっ、どうして笑うんだよー」
「いや、ただな。束がそうやって純粋に笑ってるのを久々に見たなってな」
「いいっ!? ……いきなりは反則だよ。そうやっていっつもれんくんは私の心を揺さぶってくる。そんなんだから、もうれんくんなしの世界なんて考えられないんだよ」
そう呟いて束は蓮の隣に並ぶ。二人の顔を風が撫でていく。束の長い薄紫色の髪が靡いて、それと連動するように吊り下げられていた風鈴が高い音を鳴らす。
二人の会話をドア越しに聞いていた人影があった。その正体はラウラ。何かを悔しがるように歯を食いしばって拳を握りしめる。その近くには鈴もいたが、ラウラは気づいていなかった。
(どうして兄上の隣にいるのが私じゃないんだ。どうしてあんな奴なんだ。私だって兄上に愛されたいのに……)
(嫉妬、独占欲。強欲ね、そんなんだからあんたは外されるのよ。可哀想ね。本当に哀れだわ)
鈴は何
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