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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-30
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だ。まだジャミング効果は続いている。何とか潜水艦が学園側の索敵範囲を抜けられるだけの時間はありそうだった。


 ようやく終わった。今回は穴だらけで予想外のことがたくさん起こったが、それが結果的にいい方向へ導いてくれた。今回ばかりは織斑の奴に感謝だ。あいつと箒が教師側を混乱させてくれたから、こんなにも楽にできた。
 ふうと一息つくと千冬のものへ連絡を入れた。


「こちら御袰衣。銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)を撃墜。機体、コアともに海に静に回収は困難。操縦者、ナターシャ・ファイルスは……死亡を確認しましたが、機体と共に沈みました」


 ◯


 時間は少し巻き戻り、束と一夏の戦闘。それは戦闘というにはあまりにもお粗末なものだった。もはや蹂躙。


 一夏が瞬時加速(イグニッション・ブースト)で束に肉薄し、雪片弐型を振り下ろすがそれを紙一重で避けられ、がら空きになった顔に向かって蹴り込む。クリーンヒットしてふっとばされてまた距離を開けられ、束がつまらなそうに頭を左右に振る。
 先程からずっとこれの繰り返しで一夏が同じことしかしてこないため、束はもう飽きて蓮のことばかりを考えていた。


「……あーっもう! なんで私がこんなにもイライラしているの! それもこれも全部お前のせいだよ。お前が弱いから、私に一撃も入れられないからつまんないんだよ」
「なっ……」
「ほらほら、馬鹿にされても何も言えないんだね。あはは、笑ってあげようとも思えないよ。弱すぎて反吐が出そうだ。せっかく二次移行(セカンド・シフト)した白式が可哀想に見えるなあ」
「そ、そういう束さんこそ、俺のことを落とせてないじゃないかっ!!」
「――――はあ?」


 一夏の言葉に束の雰囲気が変わる。まるで別の人格に切り替わったかのように。先程までのどこかほのぼのとしていた感じは面影も無くなり、殺伐とした雰囲気を漂わせている。
 あまりの変わりように思わず一夏は委縮してしまった。それが命取りになることもあるのに。その一瞬のすきをついて一夏を落とすことだって出来た。けれども束はそれをしなかった。否、出来ないのだ。彼女は、蓮から一夏を落とすのは止められていた。攻撃はその良いようだとしてもいいと捉えられるのだが、今の状態からして一度攻撃してしまうと、止まらなくなってしまうことを自分が一番わかっていた。


 それをあいつはいいように捉えたのだ。束は最初に切り結んだブレードをサイド展開した。あれ以来粒子化して何も持たない状態でずっといたのだが、先ほどの言葉で限界を迎えかけていた。
 もう何かあれば、動く。抜身の白刃のような雰囲気をすべて一夏にぶつける。


 一夏は後悔していた。束の力量を見誤っていたのだ。勿論、ISの生みの親であるため油断
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