第75話 子供ってのは何処までも我が道を行くもの
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いつの顔面に向かって吐瀉物撒き散らすアルよ! ウエップ!!
「ちょっ、待ってリーダー! それに新八君! これには深い事情があって、話すと長い事って臭っ! ゲロが顔にってぎゃああぁぁぁ―――」
蹴りと殴りとゲロが容赦なく桂に襲い掛かる。今まで散々な事をしでかした事に対する報復であるかの如く二人は今の今までのうっ憤をすべて桂にぶつける思いで暴虐の限りを尽くすのであった。
***
言ってる事の意味が分からなかった。鉄子の兄である鉄矢の口から告げられた事実に鉄子は言葉が見つからなかった。
そんな鉄子を無視するかの様に、銀時、高杉、鉄矢の三人は話をひたすら続けていた。
「刀鍛冶の癖に随分良い耳してんじゃねぇか。あれか? お兄さんは盗み聞きするのが趣味とかですかぃ?」
驚いている鉄子とは対照的に銀時はとても落ち着いた表情を浮かべている。まさか、兄鉄矢の言っている事は本当の事なのか―――
背後から不気味な笑い声が響く。銀時の背後に刃を突き付けている高杉が肩を震わせて笑っているのだ。
とても恐ろし気に、とても不気味に高杉は笑っていた。まるで、冷静を装っている銀時を見てせせら笑っているかの様に。
「おかしいとは思わねぇか? あいつを殺したであろうお前がそれを持っているなんてよぉ。お前もそう思わねぇか? 銀時」
「さぁな。お前がそれをおかしいと思うんならおかしいんじゃねぇのか?俺はちっとも笑えねぇけどよ」
「だろうな。あいつを殺した張本人であるお前じゃ笑えないのも無理ねぇだろうがな」
一通り話し終えた後だった。さっきまで不気味に笑っていた高杉の表情が突如として、険しい表情を浮かべて銀時を睨みつけてきた。その威圧感を感じ取ったのか、銀時の表情も若干強張っているのが見える。
「そいつを持ってるお前を見てると思い出すぜ。あの忌々しい日の事を―――」
***
空は鉛色の雲が覆っていた。しとしとと戦場に降り注ぐ雨が体を濡らしていく。雨に濡れる不快感があったが、今はそんな事など気にはならなかった。見渡す限り死と鉄と火薬の匂いが支配する戦場の真っただ中ではそんな不快感など微塵も感じなかったからだ。
天人と呼ばれる宇宙から飛来した異人達との終わりのない戦いを初めてからどれ程時が経過しただろうか。
1か月か?それとも1年、それとも既に10年近く経ったか? 或はその逆か―――
一人、また一人と敵を切り倒していく度に体に染みつく血の匂い。余りの匂いにむせ返りそうになりながらもまた敵を切り倒して行く。
既に周囲には切り倒した天人の躯が無数に転がっていた。また、それと同じ位の数の人の躯もあった。
先行していた仲間の窮地を救う為
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