Life5 紅の魔王と氷結の魔王
[10/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
そして士郎は当然の如く虚を突かれ、ソーナはらしくない位に驚き、一番度肝を抜かれたのが匙元士郎だった。
「ちょっと待ってください!俺はソーナに手を出すなんて・・・!」
「あくまでも白を切るのね?だったらソーナちゃんに聞くだけだよ〜☆」
ソーナを中心に、視界に収めるように向き直るセラフォルー。
「ねぇ〜?ソーナちゃん☆士郎君に手を出されたよね?」
「えっ、あっ、いや・・・」
何故かどもるソーナ。
彼女の後ろでは、眷族の内の1人である元士郎が、縋るように見ていた。
しかし、ソーナがどもったのは如何しようかと迷ったからだ。
此処で認めれば、事実無根であろうともある種の既成事実を形成することが出来るだろうが、そんな事に成れば士郎が実姉に殺されてしまうのではと言う危機感と、何よりも彼女自身が未だ士郎に対する好意を把握しきれていないからである。
なのでソーナは、こう返事する事が精いっぱいだった。
「じ、事実無根です!私と士郎君はそのような関係ではありません!」
(よっしゃぁあああああああ!!愛しています、会長ぉおおおおおお!!!)
ソーナの答えを後ろで聞いていた元士郎は、即座に内心でガッツポーズを取った。
しかし、正面に居たセラフォルーは勿論、彼女の横に居た者達から見たソーナの頬は赤らんでおり、如何見ても恥ずかしがっていた。
因みに士郎は、何故ソーナが頬を赤く染めている理由について、全く分かっていないようだった。
「よし!殺そう☆☆」
『ぶっ!!?』
「お姉様!?」
ソーナから士郎に向き直ったセラフォルーは、開口一番にそんな事をのたまわった。
しかしセラフォルーは周りの反応を無視して、今迄魔力を溜めていたのか、瞬時に自身の右手に魔力が濃密に内包された巨大な氷の槌を創り出した。
同時に左手には、巨大な風船のように渦を巻いている気流の中で、幾つもの鋭利な氷が往きかっていた。
そして左手の“それ”を放つ。
「危険で素敵な雨☆」
セラフォルーの左手から解放された“それ”は、鋭利な氷を気流で士郎目掛けて運んでいった。
それを士郎は、状況を理解できずにいたままではあるが、迎撃する。
「熾天覆う――――――七つの円環!」
前に突き出していた士郎の右手の目の前に、巨大な花弁が顕現した。
熾天覆う七つの円環。
ギリシャの英雄アイアスの盾。
結界宝具であり、投擲などの使用者の手元から放たれた武器の攻撃に対して、無敵の防御力を誇ると言う概念武装が内包されている盾だ。
しかし、緊急だったもので、7枚の内4枚だけだった。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ