32:あと三人
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
身のレベルも戦闘力も低い。だが、たった数度の攻撃で武器を破壊するなど、武器破壊が得意な俺でもそうそう出来る芸当ではない。
しかし、力ずくにそれを可能にする方法が一つ……
「《ステータス上昇》エフェクト……」
俺の言葉に、ハーラインは再度頷いた。
「……だが、あれほどのエフェクトも一撃の威力も、私は見たことも聞いたことも無い……。奴は今、一体どれほどまでに強化されているのか、考えるだけで恐ろしい……! あれはもう、プレイヤーの許された強さの範疇を超えている……ただの、化物だよっ……!!」
すると自分を抱いて、ガタガタと震え始める。
俺もこれ以上、この場で流暢にはしていられなかった。
「俺は死神の元へと向かう。お前は……どうするんだ?」
「じょ、冗談じゃないよっ! ……私は、もう退かせて貰うがねっ……!」
ハーラインは俺を無謀者を見るような目で言った。そのまま彼は転移結晶をポケットから摘み出す。
「そうか……じゃあな」
俺は短くそう言ってアスナ達の方へと向き直った。
数秒後、背後から「……転移、リンダース」という呟きが聞こえ……そして背後には、何者の気配も消えてしまっていた。
俺は歯軋りをし、そして再び全力で駆け出す。
――残る容疑者は、あと三人。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ