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ソードアート・オンライン リング・オブ・ハート
32:あと三人
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身のレベルも戦闘力も低い。だが、たった数度の攻撃で武器を破壊するなど、武器破壊(アームブラスト)が得意な俺でもそうそう出来る芸当ではない。
 しかし、力ずくにそれを可能にする方法が一つ……

「《ステータス上昇》エフェクト……」

 俺の言葉に、ハーラインは再度頷いた。

「……だが、あれほどのエフェクトも一撃の威力も、私は見たことも聞いたことも無い……。奴は今、一体どれほどまでに強化されているのか、考えるだけで恐ろしい……! あれはもう、プレイヤーの許された強さの範疇(はんちゅう)を超えている……ただの、化物だよっ……!!」

 すると自分を抱いて、ガタガタと震え始める。
 俺もこれ以上、この場で流暢にはしていられなかった。

「俺は死神の元へと向かう。お前は……どうするんだ?」

「じょ、冗談じゃないよっ! ……私は、もう退かせて貰うがねっ……!」

 ハーラインは俺を無謀者を見るような目で言った。そのまま彼は転移結晶をポケットから摘み出す。

「そうか……じゃあな」

 俺は短くそう言ってアスナ達の方へと向き直った。
 数秒後、背後から「……転移、リンダース」という呟きが聞こえ……そして背後には、何者の気配も消えてしまっていた。
 俺は歯軋りをし、そして再び全力で駆け出す。




 ――残る容疑者は、あと三人。
 


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