暁 〜小説投稿サイト〜
東方喪戦苦【狂】
三十一話 「信じてる」解
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
か。
悪いのは、全部、私。

私は死んだ。
もう貴女達には何もできない。

ははっははははっ

はははははははははははははははは

私の心は壊れている。
もうなにも見たくない。
もう考えたくない。
もう死にたい
これが私の罰だというのなら。

それこそ世界は残酷だ…


貴女は、その果実を木から取った。

黄金の果実。

「…1つ、質問いいか?」
彼の父親は、名誉の木を見ながら躊躇いがちに言った。

「…」

「狂夜と神那は、この幻想郷に貢献出来ただろうか、」



私は何もしていない。
出来ない役立たず。
私のせいで彼も死んでしまった。

「…えぇ、あの二人は、この幻想郷の英雄ですよ」
貴女の素っ気ない答えに私は固まった。

そこになぜ、私が含まれている。
私は…何もできなかったのに。

「…そうか」
彼の父親も相変わらず木をいつまでも黙視して言った。

「…自分の子供がどうでもいい親なんていない。子供がなにか大きな事をすると、親は嬉しい。」

「…」

「死んでしまったのは、残念だが」
貴女は、ピクッと反応して言った。

「…随分と割り切りますね…」

私はもう何も言えない。
この場にもいたくない。

ならどうして私は貴女の傍に?

自問自答を繰り返すが、その答えだけは私に出ない。

「例え、望まぬ信義でも、それは運命。
運命とは、レール。
踏み外すのは、簡単だ。彼らはレールを踏み外す事もできた。
しかし、彼らにも誰かしらついてくる。
レールから脱線したら、後ろはそれについていくしかない。
神那は、レールを踏み外さず、運命のままに死んだ。
狂夜は、その神那のレールを引き継ぎ、お前に託した。
お前はそのレールを安心して引き継ぐ事が出来た。
…いいじゃないか。よく、やってくれたよ。」

私は…
…ちゃんと、貴女達を導けたの?

彼の父親は、最後に一つ、いった。

「幻想郷は、全てを受けいれるんだ。」

貴女は、それを少し、笑って答えた。
「それはそれは残酷な話です」

…彼女は、引き継いだ
引き継いでくれたんだ。

気恥しい気もする。

だけど言わせて?


『ありがとう』
私の身体は軽くなり、光の粒子となって消えた。
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ