三十一話 「信じてる」解
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か。
悪いのは、全部、私。
私は死んだ。
もう貴女達には何もできない。
ははっははははっ
はははははははははははははははは
私の心は壊れている。
もうなにも見たくない。
もう考えたくない。
もう死にたい
これが私の罰だというのなら。
それこそ世界は残酷だ…
貴女は、その果実を木から取った。
黄金の果実。
「…1つ、質問いいか?」
彼の父親は、名誉の木を見ながら躊躇いがちに言った。
「…」
「狂夜と神那は、この幻想郷に貢献出来ただろうか、」
…
私は何もしていない。
出来ない役立たず。
私のせいで彼も死んでしまった。
「…えぇ、あの二人は、この幻想郷の英雄ですよ」
貴女の素っ気ない答えに私は固まった。
そこになぜ、私が含まれている。
私は…何もできなかったのに。
「…そうか」
彼の父親も相変わらず木をいつまでも黙視して言った。
「…自分の子供がどうでもいい親なんていない。子供がなにか大きな事をすると、親は嬉しい。」
「…」
「死んでしまったのは、残念だが」
貴女は、ピクッと反応して言った。
「…随分と割り切りますね…」
私はもう何も言えない。
この場にもいたくない。
ならどうして私は貴女の傍に?
自問自答を繰り返すが、その答えだけは私に出ない。
「例え、望まぬ信義でも、それは運命。
運命とは、レール。
踏み外すのは、簡単だ。彼らはレールを踏み外す事もできた。
しかし、彼らにも誰かしらついてくる。
レールから脱線したら、後ろはそれについていくしかない。
神那は、レールを踏み外さず、運命のままに死んだ。
狂夜は、その神那のレールを引き継ぎ、お前に託した。
お前はそのレールを安心して引き継ぐ事が出来た。
…いいじゃないか。よく、やってくれたよ。」
私は…
…ちゃんと、貴女達を導けたの?
彼の父親は、最後に一つ、いった。
「幻想郷は、全てを受けいれるんだ。」
貴女は、それを少し、笑って答えた。
「それはそれは残酷な話です」
…彼女は、引き継いだ
引き継いでくれたんだ。
気恥しい気もする。
だけど言わせて?
『ありがとう』
私の身体は軽くなり、光の粒子となって消えた。
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