第34話 吹き矢でバタッとすぐに倒れたらそれは命の危機
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
‥」
アスラは足を少し引きずりながら
ホークアイの近くに歩み寄った。
「どうする?ジェーンが気絶しちまった。
もう、さっきの作戦は使えないぜ?」
ホークアイは周りを警戒しながら言った。
さっきの作戦とは、俺が相手の位置を探索し
アスラが攻撃を仕掛けるというあの単純な作戦である。
「仕方ない。次の奇襲で確実に仕留めるぞ!」
アスラはそう言って気合いを入れ直した。
ホークアイの目にも再び闘志が湧き出て来ていた。
「あの男について、気付いたことがあるんだ」
ホークアイは俺を背負って移動を始めた。
眠っている三人から離れて安全にするためである。
そうしながら、しばらく二人は作戦会議をした。
**********
『あいつら‥‥‥‥何を考えているんだ?』
俺は二人を樹の上から眺めながら思った。
少々場所を移動したかと思ったら
今度は作戦会議をしながら動かずにいる。
俺の事さえすっかり忘れているのではないかと
言いたくなるほどである。
『‥‥‥‥そろそろ行くか』
たった二人の相手になど負けるハズがない。
残りの奴らも麻酔の効き目がもう少しあるから
あと数十分は起きてこないはずだ。
さっき気絶した女が何故倒れてしまったのかは
全く分からないがこっちにとっては好都合だ。
タンッ!
森を吹き抜ける風に紛れるほどの
ごくわずかな音で枝を蹴りながら
二人の上に移動して行った。
『上を取ったぞ。どうするつもりかは知らないが
俺を倒せる者なら倒してみろ!』
そう心の中で言いながら飛び降りようとした瞬間
相手二人の行動を見て俺は驚いた。
ダダダダダダダダダダダッ!
何とアスラとホークアイはジェーンを置いて
一直線に向こうへと走り出したのである。
おそらく、あの方向に俺がいるであろうと踏んでである。
奇襲に出たつもりなのだろうか、残念だったな。
俺はお前たちの後ろを取っている。
スッ‥‥‥‥
俺は懐から“苦無”を取り出した。
何度もあの日本刀に弾かれたことで刃が少し欠けている。
ここまで“苦無”を受け切った者は未だ一人としていない。
彼はあの長い日本刀を手足のように正確に使いこなしている。
成長すれば、素晴らしい剣士になり得るだろう。
『だが、こちとら命が懸かってるんだよ』
卑怯と言われようが何と言われようが
俺は勝たなければいけないんだ。
‥‥‥‥‥‥死にたくないからな。
『すまないな‥‥‥‥』
誰だって生きる権利がある。
そんなことはすでにわかっている。
俺は“苦無”を持つ手を振りかぶった。
『すまないが‥
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ