第34話 吹き矢でバタッとすぐに倒れたらそれは命の危機
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して麻酔針を持つ手を振りかぶった。
そして、そのまま腕を振り下ろし針を投げつけた。
片手で投げたとは思えないほどのスピードで
まっすぐにホークアイに向かって飛んで行った。
『嘘だろ?こんなに早いのに全然見える。
矛盾してる一言だけど、そうとしか言いようがない。
飛んで来る針の回転までしっかりと見えるくらいだ。
これってアレだろ?走馬灯ってヤツだろ?
つーか、こんな風に見えてるってことは
それほどの生命の危機ってヤツなんだろ?
頭の中の記憶のファイルを床にぶちまけて
そこからこの状況を打破したいほどだってのに
俺の脳内はおしゃべりパーティ状態なんだぜ?
ヤバいだろ。色んな意味でヤバいだろ。
さっきから意識的には全く関係のない事しか
頭に浮かんでこねぇんだぜ?
さっきから誰にともなくこの状況について
問いたくなるぐらいなんだぜ?
あ、ヤベェ!どうでもいい事言ってる間に
針が手を伸ばせば届くぐらいに来てる!!
相変わらずのゆっくり感をキープしてるが
未だ何一ついい案が浮かんで来てねぇんだぞ!?
対応どころか指一本さえ動かせないんだぞ!!?
一体どうすりゃいいんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああッ!!!』
ガキィィィンッ!!
ホークアイめがけて飛んで来ていた麻酔針を
俺は腕のブレードで弾き落とした。
「んぐッ!‥‥‥‥ッッ」
俺は腹部の激痛に腹を押さえた。
無理矢理動いた分、とてつもなく痛かった。
内臓を引っ掻き回されるかのような鋭い痛みだった。
しかし、何とか攻撃を防げたようだった。
「ジェーン!!」
ホークアイは俺を左側から支えた。
立っているのも辛くて、今にも倒れそうだったが
彼が支えてくれたおかげで、何とか倒れずに済んでいる。
「すまねぇ、助かった!」
ホークアイは俺にそう言った。
痛みでそれどころじゃないが良かった。
こんな体でも仲間を守ることが出来て。
ガクッ
「おい、ジェーン!!」
俺はそのまま気絶してしまった。
ホークアイは俺にしばらく声をかけていた。
「チッ、外れたか」
ピシュッ!
葉隠は舌打ちをしながら糸を枝に飛ばして貼りつけ
それを引き寄せて木の上に移動した。
網を張らない徘徊性の蜘蛛である“ハエトリグモ”は
糸が全く出せないわけではない。
と言っても、罠として設置するためではなく
命綱の代わりに使用する程度の使い道なのだが。
それでも、自重を支えられる程の頑丈さはある。
最初の時の木の上からのジェーンへの奇襲は
この糸を使っていたようである。
葉隠はこのまま茂みの奥に姿を消した。
「クソッ、また隠れたか‥‥‥
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