第34話 吹き矢でバタッとすぐに倒れたらそれは命の危機
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を逆手に
両腕を交差させたまま木の上から落下してきた。
「お前の足が治る前に仕留めさせてもらう!!」
両腕の隙間から覗く彼の姿はもうすでに人ではなかった。
側頭部から額までに小さな目が並ぶようにして六つ。
本来目だった部分も変身したことで変形していた。
大小合計8個の単眼が鋭くアスラを睨みつけていた。
遠くからでも分かる。一体彼がどのような虫の能力かが。
それは葉の上を駆け、宙を舞う虫に襲い掛かる狩人。
節足動物門、クモ綱、クモ目、ハエトリグモ科。
先に示した通り、“ハエトリグモ”である。
ズザッ! ダンッ!!
着地と同時に一瞬でアスラとの距離を詰め
葉隠は“苦無”を振り上げた叩き込んできた。
ガキガキンッ! ガガッ! カキィィンッ!!
アスラは葉隠の猛撃を片足で耐えながら
一本の日本刀で何とか凌いでいる。
しかし、誰が見ても明らかに防戦一方。
勝ち目など傍から見ても見つかりそうにない。
ドガッ!!
「ぐあッ!」
ドシャッ!!
葉隠はアスラの死角から回し蹴りを打ち込んだ。
それにより片足で何とか保っていたバランスを崩し
そのまま地面に倒れてしまった。
「アスラから離れやがれッ!!」
ドンドンッ!!
ホークアイは葉隠の急所に向かって弾丸を発射した。
至近距離で撃てば、少なからずダメージがあるはずと踏んだ
今の彼にできる唯一の攻撃手段である。しかし――――――
キキィンッ!
「‥‥‥銃じゃ俺は殺せない」
葉隠は逆手に持った“苦無”でホークアイの放った弾丸を
二発とも正確に見切った上で、別の方向に逸らした。
ここまでの至近距離でも的確に判断した上で対応できるのは
クモの運動能力と、葉隠の思考の瞬発力があっての芸当だろう。
「目障りだ、お前も寝てな」
ヒュッ!
葉隠は袖の隙間からさっきと同じ形の麻酔針(?)を
取り出して、ホークアイに投げつけようとした。
「させるかッ!!」
アスラは地面に腰を付けたまま
足払いの要領で日本刀を横に振り抜いた。
腕だけの居合なので、威力もさほど高くないだろう。
斬れるかさえも不安なほどである。
しかし、葉隠もこれで万が一足を斬られてしまえば
自慢のスピードによる戦法を使用できないので
彼はこの攻撃を避けざるを得ないのだ。
「さっきから俺の邪魔ばかりをするな、お前は」
タンッ!
そして、予想通り葉隠はジャンプをして回避した。
これでホークアイへの麻酔針の投擲を中断することが出来た。
だが、そこから先は正直、何も考えてはいなかった。
「この距離なら片手で十分だな」
やや身体を反り返
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