第34話 吹き矢でバタッとすぐに倒れたらそれは命の危機
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ホークアイは三人を見ながら言った。
彼の言う通り、三人は完全に寝ているだけのようだ。
「閃光弾を使った後に何かを三人に当てたらしい」
一瞬の事でよくは見えなかったが、何か細い物が
高速で飛んで来ているのが見えた気がした。
「‥‥‥‥‥‥これだな」
マリーを見てみると、彼女のお尻に
長い針のような物が突き刺さっていた。
(マリーは後方を担当していたので
葉隠の来る方向に背を向けていたから)
他にも、リオさんの左足、迅の右肩に
同じものが突き刺さっていた。
「結構長いな‥‥‥‥」
それは針というよりは串に近い長さだった。
マリーのお尻に刺さった分を抜くと
針の先に少し血が付いていた。
(こんなのが刺さって痛かっただろうな、マリーは)
よく分からないが、見た感じ金属製で機械的だった。
後ろに蓋が付いていたので、それを取ると穴が空いていた。
おそらくだが、穴から中に仕込んでおいた薬液が
刺さった対象に注入されるという武器なのだろう。
「麻酔薬でも、刺さった瞬間に眠ってしまう程なら
本来は致死量レベルだが、"鎧人"と"侵略虫"だ。
多分、三人とも死ぬことはないだろう」
俺は二人にそう説明した。
「それなら良かった‥‥‥」
アスラは大きく息をついた。
逆にホークアイの表情は曇った。
「え、それってオレに刺さってたらどうなってたんだ?」
俺は少し考えた後に答えた。
「‥‥‥‥‥死んでただろうな」
「あっさり言うなよッ!!」
ビシッ!
ホークアイは銃から外した右手で
俺の前の空間にツッコみを入れた。
ヒュンッ!!
瞬間、俺とホークアイの目の前を
“苦無”が高速で通り過ぎて行った。
ホークアイの右腕がそれが少しかすったらしく
服が切れて、その下の皮膚から血が滲んでいた。
「う、うおおぉぉぉぉぉぉぉおおおおッ!?危ねぇッ!!
腕持って行かれるところだった!!!」
ホークアイはしゃがみこんで叫んだ。
やっぱり気配が分からないというのは恐ろしいものだ。
近づかれていた事に全く気が付かなかった。
ヒュヒュンッ!!
「今度は見えた!」
カキキィンッ!!
アスラは飛んできた“苦無”を日本刀で弾き落とした。
片足でも樹を背にしていれば、踏ん張りを気にする必要はない。
不慣れながら、完全に相手の攻撃に対応できていた。
「足が早く治ればな‥‥‥‥」
とりあえず、しばらくこのまま時間を稼いで
足が完全に再生してから、葉隠探しを始めるようだ。
「‥‥‥‥‥ハッ!、上だ!!」
俺は上を見ながら叫んだ。
その次の瞬間、葉隠が“苦無”
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