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101番目の百物語 畏集いし百鬼夜行
第十五話
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「分かってて言うのはやめような!?」
「あははっ!」

 いやー、この二人の絡みは見てて飽きないだろうなぁ。今度はティアとのアイコンタクトでそれを確認する。

 こんな普通な感じのやつらが、戦ったり、苦しんだりして。
 本当に、世の中ってのは不思議なことが多い。
 いろんなやつと仲良くなってくるカミナは、重要な物語の主人公で。
 空気を読んだり取り持ったりするのが得意なティアは、この上ないくらいおっかない魔女で。
 同棲異性関係なく相手と壁の中に踏み込むのがうまいテンは、えげつない手段で相手を殺害に追い込む夢の使い手だ。
 こんな三人がここまで仲良くやれてるんだから、もう世界中の理解に達することのできていない人間たちがどこまでコミュ力不足なのか。
 ……って、それは私が言えたことじゃねえか。
 こいつらに隠してる私の立場だってある。
 いずれバラすことにはなるんだろうが。
 今はまだ、秘密にしておくか。
 こんななんてことない日常を、中々観測することのできないこの日常を過ごしたい。
 まあそういうわけで……悪いな、カミナ。
 もうしばらく、なんも知らないふりをさせてくれ。

「……ん?先輩、どうかしましたか?」

 少し考え事をしていると、すぐにカミナは気付いてくれる。
 こういうところが、世界に『百鬼夜行』の主人公だと認識されたんだろうなー、と思いつつ。

「いんや?ただ、早くケーキバイキングに行きたいなー、ってな」
「そういうことなら、行くとしましょうか」

 カミナはそう言ったと思ったら、二人にもいくように促している。
 そんな流れがもうできてしまっていることに少しモヤモヤしたから、観測者らしくないことをするのを許可した。

「そういや、あのケーキバイキングには都市伝説があったっけか」

 思い出すようにそう言うと、三人の雰囲気が変わった。
 ティアは驚き。
 テンは警戒。
 カミナは興味。
 それぞれのロアに対する感情がどんなものなのかを観測できて、面白い気分になった。
 これもまた観測者のサガなのかねぇ。

「面白いことに、この街のケーキバイキングには絶対に入らないだろってくらい小さい体なのに、全種類を余裕で食べちまう少女が現れるとか何とか……」
「って、小さいって先輩の事じゃ」
「ていっ!」

 小さいで判断したカミナのすねを蹴りつつ。表には出さないが安心した様子の三人を見る。ハハッ、ちょっとイタズラしちまった。

「んじゃ、行こうぜ三人ともー」
「そうですね、あーちゃん先輩」

 そうして、私たちは四人でケーキバイキングに向かった。
 まあここからのことはわざわざ書くことでもねえし。何よりこうして語ったり記したりするのは本来観測者の仕事じゃない
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