第十五話
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夜行』の主人公なんですから」
「カミナのこれからにご期待あれ、とでも語るのかい?」
「おっ、それもらい、です!」
「そんなんでいいのか、『語り部』さん?」
「いいんですよ、これで。それでは私は『語り部』してきますので!」
「んじゃ、私も『観測者』してくるとするかねぇ」
◆2010‐05‐17T16:10:00 “Yatugiri High School Gate”
◇View Side:Site Observer◇
「あ、先輩!相変わらずちっさいですね」
「身長のことをいうなよ、カミナ!?」
私を見つけるなりそんなことを言ってきたカミナは叩きつつ。
その横にいる、可愛い女の子二人にちょっと驚いた。
「どもー、あーちゃん先輩」
「こんにちは、亜沙先輩」
「ティアはこんにちはだ。けどテン、オマエは年下なのによくもまあ遠慮なくいってこれるな」
「普段この呼び方をしてない人、カミナくらいしか知らないもので」
つまり、ティアもまた普段はその呼び方ってことか。
はぁ……まあ、もう全校生徒どころか教師にもその認識みたいだし、いいんだけどな。
「なんにしても、だ。カミナまで呼び方を変えてくることはないよな?」
「その予定はないですよ」
「えー、一回呼んでみたらいいじゃない」
「イメージがそうであるかと行動するかは別の問題だろ」
「そうかそうか、お前もイメージはそっちなのか」
「すいません先輩」
あっさりと折れるコイツをいじるのは楽しい、ということをテンとアイコンタクトで共有しつつ。
「そうだ先輩、今から三人でケーキバイキング行くんですけど、よかったらご一緒しませんか?」
そんな予定だったのかと少し驚きつつ。しかしケーキは魅力的だな。
「おっ、いいねケーキ!一緒に言っていいんなら行かせてもらうぜ」
「もちろん大歓迎ですよ!」
「女子率が高い方がこの手のものは楽しいですし」
どこか遠慮を感じさせないしゃべり方のやつだったから。
私は、この距離感なく入ってくるくせに自分は踏み込ませないテンのことを会ったその日に気に入った。
……ま、ちょうど色々ごたついてたあの日の学校であったんだけど、そんなことは気にしない。
どうせこの三人は、私があの時覗いてただなんて気づいてないんだから。
「むしろカミナ君が甘味だらけで大丈夫なのか‥…」
「まあ、コーヒーとか紅茶とか飲みながら過ごすとするさ」
「それでカミナがいいってんなら、いいんじゃねえか?とってきてもらうって使い方もあるんだし」
「先輩がそれを望むのであればこの神無月凪、全力で働かせていただきます」
「かんなづきなぎ?その長ったらしい名前はどのカミナだっけ?」
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