第十五話
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は、望む人がいるなら皆受け入れるような、そんな物語になりたい」
「へえ・・・それは、何の統一性がなくても?」
「もちろん。どれだけ統一性に欠けていても、どれだけ危険な物語でも。そんなことは関係なく、一緒に物語を描いていきたいんだ」
それが無茶なことだというのは、何となく理解している。主人公が自分の物語にするには、そのロアとの間に縁がないといけないのだ。向うが望んでいるからと言って、ロアとしての縁が必ずあるとは、到底思えない。でも、
「『畏れ集いし』なんていうくらいなんだ。さまざまな物語を集めなきゃ、意味がないだろ?」
「ふふっ……確かに、その通りかもね」
「そうそう。だからラインちゃんも、何かあったら言ってくれていいんだぜ?」
「私までたらしこんじゃうんだ」
「だから、そう言うことを言っちゃいけませんって」
注意したばっかりなのに言ってきた彼女に突っ込みつつ。
「まあ、そんなことは関係ないんだよ。助けたいから助けるし、助けてほしいなら助ける。それが俺の百鬼と見た」
「つまり、幼女から老婆まで幅広いハーレムを作っちゃえ!ってこと?」
「語弊がある感じなんだが……まあ、美少女なら実年齢は関係なく大歓迎だ!」
はっきりと宣言すると、ラインちゃんは子供らしく足をバタバタさせながら、おなかを抱えて笑う。それが収まると、帽子をつい、と少しだけ上げて。
「それじゃあ、期待してるよ。私のことも幸せにしてくれるって」
「おう、期待しててくれ」
その下にある顔には、当然ながら見覚えなんてなかった。それでもやっぱり、とてもかわいい子だということは分かる。
「それなら、私を笑わせてくれたお礼と、いつか幸せにしてくれることへの先行投資で、二つ。まずお兄さんのDフォンを『8番目のセカイ』に接続できるようにしといたよ」
「それはありがとう。なんだかんだ、使えないと今後困りそうだしな」
なんにしても、これでまともにDフォンが使えそうだ。
「で、二つ目。お兄さんの物語……『百鬼夜行』の主人公の事なんだけど」
「何か教えてくれるのか?」
「うん、大サービス」
それも助かる。何をすればいいのか、ホントに何もわからないし。
「まず数の制限だけど、厳密にはないよ?」
「うん?『百鬼』とか言うくらいだから、百じゃないのか?」
「これが違うんだよねー。この場合の百は、『すっごく多い』くらいの意味だし」
つまり、百鬼というのはすっごい数の鬼たち、ということなのか。何それすごく怖い。
「そういうこともあってか、百鬼夜行の主人公にはみんなある他の主人公にはない特殊なところがあってね。『自分の物語の数を自分で決められる』の」
「うわお」
「だから今すぐにでも、お兄さんが『俺
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