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101番目の百物語 畏集いし百鬼夜行
第十五話
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だったりするんです」
「……ふえ?」

 飛び出てきた言葉に対して、驚きのあまり背後の恐怖を忘れてしまう。

「『お前のロア人生、俺のロア人生にしてやるよ』とか、そんな感じの、未来永劫、一つの物語として共に歩もう、みたいな意味になるんですよ」
「……マジ、ですか?」
「はい、マジですよ」

 あ、うん。それはやらかしたな。間違いなくやらかした。なんとなくテンには心を読まれてる感じだし、そうじゃなくても何度かテンの事を『俺の物語』的な感じで言ってたと思う。
 一番アプローチしたい相手には何にも出来てないのに、クラスメイト二人にはプロポーズしてしまった。さらに、鈴ちゃんの「貴方の物語にしてください」という発言も受け入れてしまった。

「なんだかもう、気付かないうちに自分がどこまでダメ人間していたのやらで……」
「……はぁ、もういいわ」

 本気で落ち込んでいたら、テンが背中に当てていたものを離してくれる。

「はぁ……ケホケホ。面白かった」
「面白かったのですか……」
「はい、とっても。なので、もう少しカミナ君のそばにいるのもいいかもしれません」

 まさかの、理由が面白かったから、である。もう喜んでいいのかどうか……いや、別にいいのか。

「ただ、もしつまらなかったら、病死してしまいますけど」
「さらっと怖いんですけど!?」
「仕方ないでしょう?アンタは写真に収めることで、魔女との契約を結んじゃったんだから」

 自分のしたことに後悔こそしてはいないけど、それでもやらかしてしまったということだけは理解していると、その間に二人はどこかに行ってしまった。ティアは一声かけてから公園を出て行って、テンは「おやすみ」というや否や消えてしまった。一体どういう仕組みなのか気になるのだけれど。

「ま、なんにしても……これで一件落着、かね」
「うん、これで一件目はおしまい。おもしろかったよ、お兄さん」

 崩れるようにベンチに座ったら、隣にラインちゃんが座ってて。
 もう驚きすぎて何のリアクションもできなくなった。

「あー、おはようラインちゃん」
「おはよう、お兄さん。うまく二人を誑し込んだね?」
「君みたいな年頃の子が、そんな言葉を使うんじゃありません」
「ふふっ、はーい」

 実際の年齢がどうなのかはわからないのだけど、とりあえず見た目でそう判断して注意しておく。
 この理屈だと俺は亜沙先輩にも言わなければならないな……困ったぞ。

「それで、お兄さんはこれからどんな物語を目指していくの?」
「あー、それなんだけどな……かなりカオスな感じでなら、一つあるんだよ」
「へえ、どんなどんな?」

 興味を持ってもらえるとうれしくなって、俺は体を反らせて空を見ながら、言う。

「俺
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