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101番目の百物語 畏集いし百鬼夜行
第十五話
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るんだ?アレクは調べてそうだが、アイツに聞くのはな……どうせ聞くなら付け焼刃のあいつではなく、オカルト大好きな美少女ティアに聞く方がいい。

「とはいえ、そうして一緒に調べて回る、とかなると困るしな」

 そんなことになれば、巻き込んでしまうのが主人公というものだろう。無関係なはずのクラスメイトと一緒にいたら巻き込まれたとか、いろんな作品で見るし。
 ついでに言うと、ティアには既に俺が『百鬼夜行の主人公』に選ばれてしまったっぽい、という話をしてしまった。もうこれ以上ないくらい巻き込んでしまうフラグだと思う。何か一つきっかけがあれば巻き込むやつだよ、これ。しかも、タイミング的には『ペスト』に巻き込んじゃうやつ。だから、できる限りティアに聞くのは避けていきたい。そうなると、今からどうしたものか……何の目的もなく歩き回る、ってわけじゃねえんだし……。

「……公園にでも行くか」

 恋人同士のものから怪談系で逃げ込む場所まで、様々な都市伝説の舞台となっている……ような気がする場所だ。行ってみれば、何かあるかもしれない。
 そんな、テンにでも言ってみればバカにされそうな浅はかな考えの下、俺は早朝の公園へと向かう。最後に行ったのはいつだったか。昔幼馴染と一緒に遊んだ記憶が蘇ってくる。
 ヘッドホンで音楽を聴きながら歩き、いろんな種類の、大小様々な猫を見て和みつつ、俺は公園へとたどり着く。今更ながらこの公園の名前は知らなかったなと思い探してみるけど、どこにも公園の名前は書いてなかった。不思議なものだ。
 不思議と言えば、今日は本当にたくさんの猫を見る日だな。公園に入ってみると、また大量の猫がいた。野良猫が集会でもしているのだろうか?そう思わずにはいられないほどの猫。

「名前の分からない公園に、大量の猫……。都市伝説にできそうな状況だよな」

 あるいは既に巻き込まれているのかもしれない。そう思ってDフォンのカメラを向けるか検索をするか、なんにしてもDフォンを取り出そうとする。と、

「ケホケホ……そう、ですね。不幸の黒猫に九つの命、ネコネコネットワーク(NNN)など、猫の都市伝説はたくさんありますから。猫の国、なんてものもあるのかもしれませんね」

 聞き覚えのある声に振り向くと、そこには制服姿のティアがいた。なんでこんな時間に、とか既に制服姿なのか、とか。聞きたいことは色々とあるのだけれど。それよりまずは。

「あ、あの……なんで頬をつねっているのですか?」
「いや、ちょうどついさっきティアのことを考えてたからな……そんなタイミングでティアにあったから、幻覚でも見てるのか夢の中なんじゃないか、と」

 そう真面目な顔でいうと、ティアは一瞬ポカンとしてからクスクスと笑う。そして俺に近づいてきて、頬をつねっている右手を
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