第十五話
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◆2010‐05‐13T05:00:00 “Nagi’s Room”
早朝。ちょっとした悪夢……体がだるく、苦しみながら死ぬなんて言う悪夢で目を覚ました俺は、冷や汗で気持ち悪いシャツを引っ張ったところでテンのことを思い出した。分かりきっていながらベッドを確認するも、もうそこにテンの姿はない。俺が眠った、とかそんな感じの区切りで家に戻れたのかもしれない。しかし、ジャージとスウェットがなくなっていることが少し残念だ……おっといけない。これでは変態の仲間入りじゃないか。
「まあ、でも……また会えるんだし、いっか」
また学校に行けば会える。そこでテンがジャージとスウェットを返してくれれば、周りの反応が面白いことになってテンをいじれるに違いない。アイツがそのことに気付くかどうかであいつが真っ赤になる様子を見れるかどうかが変わるわけか……。ついでに、俺が殴られるかどうかも。
「それにしても、ホントに早く起きすぎだろ、俺……。あ、新聞配達来た」
新聞配達の人のものであろうバイクの音が聞こえてきて、俺は大体の時間を察した。外が暗いなーとは思ってたけど、そこまで早かったとは。とはいえ、あそこまでの悪夢を見たってのにまた寝なおそうという気分にはなれない。さすがにあれは、この年でも怖いって。腕とか一部一部黒くなってて、今思い出してみるとだんだん腕がなくなっていってるみたいで……。
「って、俺は何を思い出してるんだ……」
やけにはっきりと思い出せるからと言って、思い出すもんじゃない。悪夢なんざさっさと忘れるに限る。……体でも動かせば、少しは忘れるだろうか?
「そうと決めれば……」
俺はタンスから新たにジャージを取り出し、それに着替える。そうと決めたならすぐに実行するのが俺のいいところだそうなので、その通りに動くだけだ。ついでにコード探しもするか、なんて考えながら。俺はDフォンを持って姉さんを起こさないように気を付けて家を出ると朝方の涼しさが気持ちよくて、俺はジャージの袖をまくった。
◆2010‐05‐13T05:25:00? “Yatugiri City”
「なんか、変だな……」
散歩くらいのつもりで街を歩き回っていると、どうにもそんな風に感じてしまう。理由は分からないけど、なんだか変というか、不気味というか……こう、言葉で表現しづらい。あと、やけに猫を見かける。黒白灰色茶虎、何ともまあカラフルな猫の数々。というか、テンの時と言い最近やけに猫と縁があるなぁ……。
で、そんなことを考えながら猫にDフォンのカメラを向けてみるも反応はない。
「まあ、さすがにそれは期待しすぎだよな」
猫繋がりで何か出てこないかな、とかさすがに考えが甘かった。そもそも、猫が関わる都市伝説ってどれくらいあ
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