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乱世の確率事象改変
蒼天に染めず染まらず黒の意志
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黄金の視線は咎めに近しい。

「……なにさ。別にそういうんじゃないよーだ」
「クク、そうかい。なら却下だ」
「なにさなにさ! 朔にゃんとかひなりんは抱きしめるくせに! この幼女趣味! へんたいっ!」
「ぐ……お前なぁ――――」

 誤魔化しで怒った振りをしていることは分かっているが、やはりその言い分は彼にとって認められないモノで。
 何か返そうとしても、ふふん、と鼻を鳴らして彼女は目を細めて遮った。

「ちっぱいでちんちくりんでつるぺたじゃないとダメなんでしょ? だって春蘭とか秋蘭と一緒にお風呂入っても手を出さなかったらしいじゃん?」
「お前なんで知ってやがる」
「霞姐から聞いちゃった♪ いいなー……あたしも一緒にお風呂入りたかったぁ」
「……全力で拒否させて貰う」
「えー? だって秋兄は大丈夫なんでしょ? ほら、こーんなことしても、さ♪」

 言いながら、彼女はぎゅうと彼の腕に抱きついた。
 たわわな胸が押し付けられるカタチ。さすがの彼も看過できない事案である。

「こんの……バカ明っ」
「いったぁ!」

 でこぴんを一つ。直ぐに明は離れて額をさする。
 大きなため息を吐いた秋斗はやれやれと首を振った。

「むー……痛いじゃん」
「調子にのんなバーカ。その分だと大丈夫だろ」
「ちょっとした冗談でもダメなんて……秋兄ってばやっぱりおかたーい」
「お前が軽過ぎるんだって。ほら、そろそろ行け」
「はーい。ちぇっ、つまんないのー」

 拗ねた口振りを残して脚を進める明は、頭の後ろで組んでいた腕を外して……思い出したように振り返った。

「でも秋兄……空いてる夜でいい。また離れちゃうからさ、その前に一回だけぎゅってして? あたしを此処に感じる為に」

 悪戯好きな女の子の笑みでありながら、その瞳が少し揺れていた。それ以上は求めないから、と訴える。
 胸に空いた空しさを快楽で埋めるつもりは無く、似通った彼と溶け合うつもりも依存するつもりも無く、自分と彼が違うモノだと確かめたい……と。

「……はいよ。一回だけな」
「ん、ありがと。
 にひっ♪ じゃあ幼女達とのお茶会楽しんでねー♪」
「ちょ、おまっ」

 がっくりと項垂れる彼をおいて、明は脚を弾ませて走り去った。
 さわさわと風が流れる東屋で、振り向いた彼は大きなため息を一つ。近付いて来ていた影に、きっと明とのやり取りは見られているに違いないと思って。
 ただ後に……人影三つをちゃんと見た秋斗の目が見開かれる。

 来るのは華琳と月と帝のはずで、それ相応のお茶会のつもりだった。
 しかし現実……先程と変わらぬ華琳と月の隣には、“帝”の姿は其処に無かった。

「さて、此処に居るのは帝ではない、と言ったらどうする?」
「バ
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