蒼天に染めず染まらず黒の意志
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は……彼女を労わる穏やかさに満たされていた。
「おかえり、協」
目を見開く。意識せずに唇が震えた。
ずっと天として生きる一人の少女に一時の幻想を。
本当は在ったはずの、人として帰る場所を作り出す為に、彼は彼女におかえりを届けた。
少女は、姉を失ってから久しく言われていない言の葉を耳に入れて、蒼天の瞳から一筋だけ涙を零した。
――ただいま。
他愛ないやり取りが人の始まり。
暖かい感覚が胸に広がっても、彼女は上を見上げた瞳に蒼い空を映し込んで、それ以上大地を濡らすことはしなかった。
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