第三十一話
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動した。
誰も聞いていない事を確認すると母さんは俺に話しかけてきた。
「あのアルフって子ならばフェイトちゃんの保護者に会えるわよね?」
「多分」
「そう…でも、今のフェイトちゃんを帰していいものか、悩むわ」
「どういう事?」
それは記憶喪失だからか?
「……最近フェイトちゃんと私が一緒にお風呂入っているのに、なんでなのちゃん達を呼ばないかわかる?」
うん?
「あの子の体に虐待の痕を見つけたからよ」
ああ、なるほど。プレシアからの折檻か。
「ああ、それで俺と一緒にお風呂には入ってくれない訳か」
まあ、未だに俺と一緒に入ろうとするなのは達の方がおかしいんだが。
「…それはまた別の問題だと思うけれどね」
一瞬呆れたような顔をしてから表情を真剣なものに戻した。
「あの子、両親から愛されていないんじゃないかしら。今も私を放さないようにぎゅっと抱きしめて眠っているわ」
まず彼女は片親なんだが、それは原作知識が無ければ分からない事だ。
まあ、原作知識を見るに愛されてはいないわな。プレシアにしてみればよく出来た偽者なわけだし。
「だから私、先ず一人で両親に会いに行ってみるわ。そこでちゃんとお話してくる」
母さんはこんな俺達でも自分の子として受け入れてくれた愛情深い人だ。そんな人が幼児虐待を見過ごせるわけ無いか。
「ん、分かった。でも、俺も行くよ。相手が魔導師って事も有りえるだろうし、話がこじれてって事もありえる」
母さんが負けるとは思わないけれど、危険なものは危険だ。
「うん、お願いね」
と言うか最初からそのつもりで俺に話しを振ったくせに。
それから数日後、アルフの体調が元に戻ったのを確認して俺達はフェイトの母親、プレシアに会いに行く事となる。
side アルフ
あたしがこの御神家に来てしばらく経つ。
最初の内はフェイトが記憶喪失だという事であたしはかなり混乱していた。
あたしの事を全く覚えていないフェイトを見るのは辛かった。
けれど、それと同時にあんなに笑顔を見る事が出来るとも思わなかったのだ。
そう、今のフェイトは良く笑う。
それは相手に心配させないための演技では無く、心の其処からの物。
以前のフェイトが失っていたものだ。
それもすべてあのババアの所為だ。
そう考えると記憶は無いが今のフェイトは幸せそうだ。
フェイトの幸せ、それはあたしがフェイトに求めたものでもある。
このまま記憶を無くしたままの方がフェイトは幸せなのかもしれない。
そう考え始めた頃だ、御神紫がフェイトの母親に会いたいと言って来たのは。
あたしは考えた。どれがフェイトにと
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