第三十一話
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
買い物も終わり、少し近道しようと海岸の遊歩道を歩いていたとき突然大型犬に襲われてしまったらしい。
先日のこともあるし、良く見ると額に宝石のようなものが埋まっているのが見えた為、またあの宝石のせいだと思ったんだそうだ。
ならばと母さんは反撃。アルフの惨状と、母さんの具合を見れば分る様に一方的にボコボコにしたんだろうな…
止めを刺そうとしたときに朦朧とした意識で呟いた一言が「フェイト…ごめん」だったそうだ。
その言葉を聴いた母さんは大慌て。
急いで担いで家まで戻って、フェイトに手伝ってもらいつつ応急手当。しかし状況は改善しなかったから直ぐ様俺を呼んだと。
そろそろアルフの傷も塞ぎきっただろうか。
朦朧としていた意識が覚醒したようだ。
「うっ……ここは?っフェイト!」
フェイトはどこだ!?とガバっと起き上がり、母さんの隣で心配そうにアルフを見ていたフェイトを発見した。
「フェイト、無事で良かったよ」
瞬間的に犬から人型に変身してしっかりとフェイトを抱きしめた。
「あ、あの…」
しかし、記憶喪失のフェイト自身は困惑の表情。
フェイト!フェイト!と、涙を目にいっぱいにためてフェイトの存在を確かめている。
しかし、それも直ぐに変わる。
今度はぐるるっと喉を鳴らしながら母さんを威嚇した。
しかし、それもフェイトの次の発言まで。
「あのっ!…あなたはいったい誰ですか?」
「え?…」
…
…
…
ショックで体が硬直しているうちに此方の事情を有る程度説明。
記憶喪失である事、今は俺達が保護している事。
後は親御さんを探している事。
母さんが襲われて、正当防衛で反撃したら当たり所が悪かった不慮の事故だった、と。
襲われて〜のあたりは余りフェイトに聞かせるものでもないので俺が念話で伝えた。魔導師である事に驚いていたようだが…まあ、今は関係ない。
さて、今度はアルフの番。
「あたしはフェイトの使い魔さ。フェイトと一緒にくそババアの命令でこの世界、地球にジュエルシードを探しに来たのさ」
「ジュエルシード?」
母さんが質問する。
「青い宝石みたいなやつさね。あたしらもそれが何なのかは分らない。ただ集めて来いって言われただけだからね」
ただ、幾つあるか位は知っていたようだ。
「そう、まだそんなに有るのね」
手元にあるのは4個。先は遠そうだ。
しゃべり終えるとアルフは疲れたのかまた犬の姿になって気を失ったようだ。
「フェイトちゃん、久遠、ちょっとその子見ててね」
「あ、はい」
「くぅ!」
母さんは後をフェイトと久遠に頼むと俺を連れてリビングから移
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ