第27話 Machination 6
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う遅く、サテライザーの姿が消えた。正確には、ラナの視覚に捉えられなくなったのだ。
そして、全く予期せぬ方向から打撃が繰り出された。
「カハッ!」
体を襲った衝撃に、血反吐を撒き散らす。今までの斬撃や打撃とは段違いの重みが生じ、思わず膝をつく。
だが攻撃はこれだけではない。
膝をついたことで、丁度いい高さになった左頬にサテライザーの加速した膝蹴りが叩き込まれ、立ち上がろうとしていた態勢がまた崩れる。
「加速…でありますか……!」
ハンドスプリングの要領で立ち上がり、サテライザーの姿を視認するが、それもすぐに消え、代わりに衝撃が襲ってくる。
これでわかった。今のサテライザーの攻撃は、認識した後では間に合わないと。
だとしたら仕方がない。こちらも全力で挑む。
ー聖門解放??
身体中の力を背中にあるクンルンの涙、もとい聖痕に集める。そこから溢れ出すのは、青く、薄い三対の羽が、蛹から羽化するかのように開く。
それを見たサテライザーも、一瞬止まりそうになったが、構わず止めを刺そうとした。その時だ。
体を、不可視の衝撃が襲いアクセルを中断させられたのだ。
視線を伸ばした先には、三メートル程の距離を開けて、ラナがいた。
拳を振り抜いた格好で。
「こんなにも早く、私に聖門を開けさせるとは……」
ゆらりと立ち上がり、不敵な笑みを浮かべながらラナはサテライザーを睨む。
「貴方、やっぱり只者じゃないでありますね……」
「……一体、私に何をした。」
「なに、簡単な話でありますよ。」
ゴキリと指を鳴らし、体の異常個所を確認するように、今度は首を鳴らす。
「クンルンの涙に流れるエネルギーを外部へと回し、それを拳に乗せて打ち出す、我が聖門八極拳の遠距離攻撃。」
その名も、と続けながら、もう一度腰だめに拳を構えた。
そして、一気に……
「〈空牙〉というであります。」
サテライザーへと打ち出した。
その威力は絶大。近づこうとしても、止めの刃がいちいち弾かれる。
ノヴァブラットを横に構え、防御面積を広げるが、そんなものでは足りずに、またしても弾かれてしまう。
絶体絶命と言っても過言ではないこの状況で、サテライザーは高揚していた。
ーこの女になら、アレを使える??
一方その頃、
「あれ?サテラさんいないのかな?もしかして寝てるとか?」
イレギュラーも、動き始めていた。
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