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失われし記憶、追憶の日々【精霊使いの剣舞編】
第二十五話「初デート 前編」
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「えいがというのは凄いですねリシャルト」


「楽しめたか?」


「はい。エストは大変満足です」


「それはよかった」


 映画を見終わった俺たちはとある飲食店に来ている。時間も丁度いいことだしここで昼食にするつもりだ。


 もちろん、なんの考えも無しに入ったわけではない。事前調査は万全である。


 実はここ『俺の店』は今学院で話題の店だ。オーナー兼料理人である店主は大柄な体躯にスキンヘッドという厳つい風貌をしている。


 そしてこの店主、菓子作りに関しては超一流。一部の王族がお忍びで来店されることからその実力は伺えるだろう。


 所見の客には必ず怯えられるとのことだが、そんな厳つい大男ともいえる店主がちまちまと繊細な菓子作りをする様が反ってギャップがあるらしく、続々とリピーターを作っているらしい。


 ちなみにこれらのソースはリンスレットの専属メイドであるキャロルである。この情報と引き換えに今度食事を奢ることになってしまったが。


 店内はそこそこの広さだ。四人掛けのテーブル席が五つに二人賭けの席が六つ。


 客入りも多く、店内は女性の声で賑わっていた。


「いらっしゃいませ〜☆ あっ、リシャルト君じゃない!」


「ん? たしかキミは隣の教室の……」


「ミンキーメイキーよ! ミンちゃんって呼んでね、お・に・い・ちゃ・ん☆」


「おにいちゃん?」


 可愛らしいウェイトレス姿でやってきたのはパブル教室の生徒だった。ここでバイトをしていたのか。


 席に案内してもらいメニューを受け取ると、よく分からない単語が飛び出してきた。


 キミは俺の妹ではないはずだが……。


「あれ? もしかしてリシャルト君、まだ学院の噂聞いてない?」


「噂? なんのことだ?」


「あちゃー。それじゃあアタシが今ここで言うわけにはいかないかな。そのほうが面白そうだし☆」


「よくわからんが、その噂とやらが今の呼び方に関連しているんだな?」


「それは、ひ・み・つ☆ まあでもユッキーを助けてくれてありがとね!」


 じゃあ決まったら呼んでね〜、と言い残してぴゅーっと風のように去っていった。

 
「何だったのでしょうか?」


「さあ?」


 お互い首を傾げた。


 とりあえずメニューを決めよう。メニューには軽食からガッツリ系の食事、デザート類が載っている。


 割合としては三:二:五といった感じだ。


「リシャルトはどうしますか?」


「そうだな……、俺はこの『俺のBLTサンド』と『漢の丸ごとオレンジジュース』にするか。エストは決まった
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