第百六十七話 破壊合成獣
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マグナモンXとキメラモンカオスが再び激突する。
徐々に少しずつ押されていくマグナモンX。
キメラモンカオスは徐々にパワーを上げていく。
フェイト「駄目…このままじゃやられちゃうよ!!」
ルカ「せめてユニゾンによるX進化体がもう1体いれば…」
スバル「ユニゾン…」
キメラモンカオスに押されていくマグナモンXを見て、暗黒の種を植え付けられた子供達はぽつりと洩らした。
「やられちゃう……」
「僕達はどうなるの?」
「結局利用されただけだった。誰でも良かった」
状況を打開しようともがくフェイト達とは裏腹に、そんな彼らを見つめる子供達の瞳はどんどん冷めたものへと変わっていった。
「あいつに勝とうなんて無理だよ……」
「お家に帰りたい……」
「……僕は、帰りたくない」
子供の1人が、そう呟いて異次元空間の中に座り込んだ。
「だって、家の中に僕のいる場所なんて無いもん……」
「そうだ……どうせだったら、このままここで……」
それにつられて、他の子供達も次々と目を逸らし座り始める。その瞳には絶望しかない。
アリサ「何馬鹿なこと言ってんのよ!!」
アリサの叫びに、一瞬だけ子供達に驚きが走った。
背中は向けたままだったが、アリサは希望を込めて叱咤する。
アリサ「簡単に無理だなんて決めつけんじゃないわよ!!諦めない限り、絶対に終わらないわ!!」
アリシア「私達にも出来ることがあるはずだから!!」
「……出来ること?」
ルカ「力を合わせれば、出来ない事なんてありません。僕達はそうやって勝ってきたんです」
しかし、彼らはふてくされたようにそっぽを向いて、拒絶する。
「でも、僕達は何が出来るって言うの?」
「滅茶苦茶だよ……」
マグナモンX[だあああああ!!]
キメラモンカオス[オオオオオ!!]
マグナモンXとキメラモンカオスの殴り合いが続く。
キメラモンカオス[その程度では俺を倒すことは出来ぬ!!]
ハイブリッドアームズでマグナモンXを薙ぎ飛ばす。
追撃でレザーウィングを放つ。
マグナモンXにレーザーの雨が降り注いだ。
すずか「ああ!!」
エリオ「父さん…」
キャロ「あのままじゃお父さんが…」
「やっぱり、駄目なんだ……どんなに頑張っても、ダメなんだ……」
「僕らには、何も出来ないんだ……」
「私達は、選ばれなかったんだもの。選ばれし子供じゃないもの……」
子供達の口から吐き出されるのは、諦めの言葉。
そうやって人は自分の可能性を手放し、“ただの人”と成り果てる。
それに気付くか気付かないか、選ばれし子供達と彼らの違いがそこにあるのに気付かない。
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