始動
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ルとも相談して都合を付けてあげるわよ!」
「ありがとう、隊長」
「流石はブラッド隊だ。私からも礼を言うよ。協力ありがとう」
ホワイトが、どの口がと睨むが榊博士は涼しい顔でそれを流す。
「それじゃあ詳しい話は、後程としようか」
「さっきは勝手に話を進めてしまってすまなかったな」
「……もう別にいいわよ。せっかく戻って来れたんだし、やりたい事を好きにしたらいいわ。ただアリサみたく過労で倒れられたら困るけど」
「ハハッ、そうならないよう体調にはより気を配ろう」
支部長室から移動したホワイトの私室にて、榊博士から貰った心付けを開け、杯を傾けながらジュリウスと話をしているホワイト。
「それより、突然農業に目覚めたのは立派な任務っていうお題目以外にも何か理由があるんでしょ?言ってみなさい、色々と楽になるわよ」
「……そうだな。きちんと話しておくべきだろう」
ジュリウスはコップをテーブルに置き、改めてホワイトに向き直る。
「ホワイト。俺はあの時、ラケルが示した未来のために神機兵を教導した。多くの黒蛛病患者達を犠牲にして」
「……そうね」
「これはどんな理由があろうと許されざる行為だ。それに結果的に見てもゴッドイーターの負担と犠牲を減らすどころかあのザマだ。言い訳のしようもない。本来ならば俺は、ここに居るのを許される立場ではない」
「そんな事は……!」
声を荒げるホワイトを片手で制してジュリウスは独白を続ける。
「今こうして居られるのはホワイト、お前たちブラッドを初めとする極東支部、それに情報管理局皆の尽力のお陰だ。そこにはまだ俺自身の贖罪は含まれていない。この罪は決して許されるものではないが、だからと言って何もしなくていいという訳では絶対にない。自己満足かもしれないが、俺は口だけでなく何かしらの行動を持ってそれを示したい。初めは神機使いとしてアラガミを討伐し続けるのが今出来る最善だと考えていたが、今日榊博士の話を伺い、俺がすべき事はコレなんじゃないかと思ったんだ」
「未来への備え、ね」
「ああ。今度は争いの為じゃない、誰かの助けになるものを育ててみたいんだ。それに、農業は多くの人が一緒になって、土を相手に汗を流す仕事だ。そうして大地の恵みを共有する。俺は……今まで何でも一人でやろうとしてきた。でも次は皆でやってみたいんだ。ブラッドや、極東支部の皆と。俺の都合で皆に負担をかける事になるだろうが、手伝ってくれるか?」
変わらず真摯に言葉を紡ぐジュリウスにホワイトは小さくため息を付いてグラスの中身を一気に空けた。
「今更そんな事を聞く必要はないでしょう。私たちブラッドは皆、家族なんだから」
「そうだな」
「次にそんな事を態
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