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オズのベッツイ
第十幕その二

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「それがオズの国の雨の降り方だから」
「そうですか」
「そう、それにね」
「それに、ですか」
「雪もそうだから」
「一気に沢山降って」
「積もるの」
 そうだというのです。
「それで皆ね」
「その雪で遊ぶんですね」
「そうしてるの」
 ベッツイは皆と雪で遊ぶ時のことも思い出して楽しげにお話するのでした。
「皆ね」
「長い間降られると困りますけれど」
「短い間ならね」
「はい、有り難いですね」
「そうした雨の降り方だからね」
「降った時も」
「そう、雨宿りをしてね」
 そして、というのです。
「やり過ごしましょう」
「ええと、雨が降ったら」
 ジョージは道の先を見て言いました。
「森の中に入って」
「そしてね」
「その中の大きな木の下に入って」
「それで雨宿りをするから」
 そのスコールの様な雨を避けるというのです。
「私達も旅の間はいつもそうしているの」
「オズの国は木、それも大きい木が多いですから」
 神宝はこのことも言いました。
「雨宿りも楽ですね」
「ええ、何処でも木があるからね」
 それで、とです。ベッツイも神宝の言葉に答えます。
「若しぽつぽつと来たら」
「すぐに大きな木の下に入って」
 その時に傍にある、です。
「雨が止むのを待ちましょう」
「大体どれ位降るんですか?」
 恵理香はその降る時間を尋ねました。
「それで」
「そうね、一時間かしら」
「一時間位ですか」
「大体それ位降るわ」
「それ位でしたら」
 一時間と聞いてです、恵理香は言いました。
「少し待っていてお喋りしていたら」
「お菓子でも食べてね」
「すぐですね」
「そうでしょ、若し夜に降ってもね」
「その時はテントの中にいるから」
「安心よ」
 夜は夜で、というのです。
「だから雨のことは心配しなくていいわ」
「わかりました」
「お天気も嫌なことはないの」
 笑顔で言うベッツイでした。
「オズの国ではね」
「そうなんですね」
「そう、だからね」
「雨が近くても」
「心配することはないの」
 安心して落ち着いて、というのです。
「木の下に向かいましょう」
「そしてそれまでの間は」
「ええ、これまで通りね」
「普通に歩いていけばいいんですね」
「そうよ、そうしていきましょう」
「若し雨が降る時になったら」
 アンがその時のことを言ってきました。
「その時はお空が曇って来るから」
「雨雲ですね」
 ナターシャがそのアンに応えます。
「それがですね」
「ええ、それが出て来るから」
 だからだというのです。
「すぐにわかるわよ」
「それで雨雲が出てきたら」
 アンはナターシャにさらにお話します。
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