第十幕その一
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
第十幕 真実の池
一行は真実の池を目指して旅を続けます、その道中困ったことは特にありませんでした。ですがその中で。
ガラスの猫はふとです、顔を曇らせてこんなことを言いました。
「あら、これはね」
「どうかしたの?」
「ええ、ハンクも感じない?」
猫は声をかけてきたハンクにも問い返しました。
「そろそろね」
「そういえば身体の毛が」
「そうでしょ、違う感覚でしょ」
「君の場合は」
「そう、あたしのガラスの身体がね」
自慢のこの身体が、というのです。
「少し曇ってきたから」
「僕の毛も湿ってきたね」
「そのせいか収まりが悪いわね」
「そうだね、これはね」
「雨ね」
それが近いというのです。
「これは」
「そういえば」
アンも二匹の話を聞いてふと気付いた様に言いました。
「私の髪の毛も」
「あんたもなのね」
「わかったんだね」
「ええ、この感じはね」
アンの今の髪の毛の感じはというのです。
「雨が近い時よ」
「そうね、じゃあ」
「ここはね」
「夜に雨が降ってもテントに入ればいいから」
ベッツイはまずは夜の時から言いました。
「問題はお昼ね」
「お昼に雨が降ったらね」
その時はどうするべきかとです、ハンクがベッツイにアドバイスしました。
「木の下に入ってね」
「雨宿りね」
「それをしよう」
「それがいいわね」
「そういえばオズの国も天気がありますね」
ナターシャがベッツイ達の話からこのことに気付きました。
「そうですね」
「ええ、晴れている時もあればね」
「雨も降りますね」
「雪も降るわよ」
勿論曇りもあります。
「オズの国はいつも暖かいけれどね」
「天候はありますね」
「雪が降っても外の世界の雪とは違うから」
オズの国の雪はというのです。
「作物を冷たさで傷めたりはしないけれど」
「それでも雪は降るんですね」
「そう、降るのよ」
雪もというのです。
「雨もね」
「雨も降らないと駄目ですよね」
「そうでしょ、雨は降ったら身体も服も濡れるけれど」
「お水ですから」
「皆にお水もくれるからね」
それで、というのです。雨もまた。
「有り難いものよ」
「だからですね」
「そう、だからね」
「オズの国でも降るんですね」
「降ってね」
そして、というのです。
「私達に色々なものをもたらしてくれるのよ」
「それが雨ですね」
「オズの雨は一気に降ってね」
「すぐに止むんですね」
「短い間に沢山降るの」
オズの国の雨の振り方もお話するのでした。
「そうした降り方なのよ」
「スコールなんですね」
その降り方を聞いてです、カルロスはそうしたものだと言いました。
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ