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儚き運命の罪と罰
第六話「禁断の言葉」
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必然的に選択肢は一つ

(やるしかない...か?)

だとすれば必勝。しかも瞬殺しなければならない。そう考え体勢を整え隙を伺い始めた。すると、

ズガァァン!!

「フェイトちゃん!?」

一瞬だけ彼らの意識がリオンから外れた。おそらく生でこの戦いの音を聞いたのは初めてだったのだろう。

(今だ...!この瞬間しかない!)

「そこを...」

「あ、しまったなのはー」

茶髪の少年がなのはに注意を呼びかけたが、もうすでにリオンはシャルティエをかまえ攻撃の態勢に入っていた。

「どけえぇぇぇ!!」

漆黒にして超高速の斬激が一閃した。

「「「うわああ!?」」」

「…今の僕は虫の居所が悪いんだ...邪魔をするなよ...!」

無論今の一撃で後を奪うつもりも怪我をさせる気すらない、見た目こそ派手な攻撃ではあるがリオンにとって今重要なのは彼らを倒すことではない。

「行くぞシャル。時間が惜しい。」

「わかってますよ、坊ちゃん。」

リオンも自覚していた。間違いなく飛行速度は落ちていた。後ろを見るとあの一撃を二人に庇われたのか知らないがすでに体勢を立て直したなのはが見えた。

(まぁ...そこまで僕にとって有害ではないだろう。)

そう思い放って置くことにした。もうすでにリオンの瞳には暴走体が映っていた。本来のリオンにとってならただの雑魚だが、今のリオンに残された体力でわざわざなのはを落としてあれを倒す余裕は無かった。


「大丈夫ですか、マスター。」

「うん、大丈夫だよレイジングハート。」

リオンの思惑通り彼女たちはさっきの攻撃で怯みはしたが全く傷を負っては居なかった。そして前方のリオンを見た。なのはには彼がまるで足を引きずりながら歩く老人のように見えた。
元からなのははリオンのことが気にはなっていた。ある日突然魔法と言うものと出会い、ジュエルシードを集める戦いに巻き込まれた。普通の人間だったら文句の一つでも言いたくなるであろう話だが、その中でフェイトと出会い彼女がどこと無くさびしげな印象をしていたというだけで助けてあげたい、友達になりたいと思えるほど心優しい少女だった。ところが突然フェイトと一緒に現れた圧倒的に強い剣士。そんな彼のことが気にならないはずも無かった。...だが同時に少し怖いとも思っていた。と言うのも先日シャルティエを突きつけられた感覚は魔法に触れてからでも最もゾッとするような経験だった。年端もいかない少女に恐怖を与えるには十分すぎることだった。
だがなのはは今老人に見えると言った位に疲弊した彼を見てそんな恐怖は薄れてきていた。そんな状態になってもフェイトのところに向かおうとする彼は実はとても優しい人間なんじゃないかって思った。

(まだちょっ
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