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恋姫†袁紹♂伝
閑話―斗詩―
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か? 麗覇様」

そんな彼の表情に、いち早く意識を取り戻した私は慌てて聞き返す。

「うむ! 自分の得意な得物は早々に手にした方が良い、それに、袁家の武器庫には色んな種類の武器が沢山あるのでな」

「やったぁ、さっすが麗覇様そこに痺れる憧れるー!!」

「そうであろう、そうであろうフハハハハハ! さあそうと決まれば膳は急げだ、二人とも付いてまいれ!」

「りょーかいっ!」

「わわわ、待ってくださいよー、文ちゃーん麗覇様ー!!」

………
……


「フム、猪々子のが大剣『斬山刀(ざんざんとう)』斗詩のは大槌『金光鉄槌(きんこうてっつい)』だな、二つとも袁家に忠を誓い生涯を全うした将軍の得物だ。彼ら亡き後は重すぎて使い手が現れずここに保管されていたがな」

文ちゃんから強引に渡された武器の説明を聞くと、何故か手に良くなじむ感じがした。

「おおっ!、ならアタイ等にぴったりじゃんか、なっ斗詩!!」

「もう、文ちゃんは……、しょうがないなぁ」

そっけなく返事をしたけど、顔が緩むのを抑えられない。
 その日私達は、一生物の宝物を手に入れた。

………
……


「麗覇様!」

私達二人が麗覇様に出会ってから早数ヶ月、麗覇様の提案で街に散策に来ていたその時事件は起きた。
 女性に暴力を振るおうとしている男を麗覇様が発見し私と二人で追跡、追った先で戦闘になり一時は優勢だったものの、増援が来てから麗覇様の動きが鈍くなった。

「あっちは大丈夫そうだな……、おい、武器を捨てれば優しくしてやるぜ?」

「っ!? 誰が!」

「すてねぇってんならしょうがねぇ、やるぞテメェ等!」

「……くっ」

背後で女性を守っている私に三人組が襲い掛かり、それを何とか防ぐ

「チッ、しぶといなこいつ」

「問題ねぇ、あっちはもうすぐ片付く」

「そ、そんな……」

男達の言葉に小さく悲鳴を上げる。麗覇様を確認している余裕はなかったが、剣戟の音が小さくなっていくのを感じた。

(麗覇様が死ぬ?―――そんなの)

「グッ! ガハッ!?」

(嫌だ!)

気が付くと私は、目の前にいた男の胸を突き刺していた。

「!? こ、この餓鬼!!」

「っ……ハァァーーッ!」

のこった二人が慌てて武器を構え直すが、迷いを消した私の敵ではなかった。そして――

「ハァ……ハァ……」

三人を倒した私は少し放心してしまう。

「っ!? 麗覇様!?」

意識を取り戻して主の安否を確認しようとしたその時だった。


「捕まえたぁっ!」

「キャア」

「へへへ、おらっ大人しくしな!」

「よくやったチビ!」

先の戦闘で意識を失っ
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