閑話―斗詩―
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させる。
「は、初めまして、私の名は顔良、真名を斗詩と言います!」
「アタイは文醜、真名を猪々子だ!……です」
私達の名を聞いた袁紹様は少し驚いたように目を見開く、しかしすぐに表情を戻した。
「そうかお主達が……、知っていると思うが我が袁紹だ。初対面で真名を預けてよいのか?」
「私達は今日から袁紹様に仕えるので」
「主になる人に真名を預けるのは当然!……です」
「ふむ、ならば我が真名、麗覇も二人に預けよう!」
「ええっ! いいんですか?」
袁紹様の提案に思わず声を上げる。雲の上の存在である彼の真名を、こんな簡単に預けてもらえるとは思わなかった。
「かまわぬ、我もお前達が気に入ったし何より――」
そこで一旦言葉を切り
「真名を受け取って返さぬのは、我の矜持に反するのでな、フハハハハハ!」
そう言って豪快に笑い出した。
「「……」」
文ちゃんと私は唖然としてしまう。袁紹様は下の者に寛大だとは聞いていたけど、まさかここまでだなんて……
………
……
…
その後、三人で談笑しながら中庭へとやってきた。
「ところで二人は帯刀しているが、やはり得物は剣か?」
すると、袁紹様もとい麗覇様が私達の得意な武器を聞いてきたので――
「はい、私は小回りの利く――「いや、それが聞いてくれよ麗覇様〜」ちょ、ちょっと文ちゃん!?」
私が肯定しようとしたら、それを遮るように文ちゃんが話し出した。
それも敬語では無く、友達に語りかけるような気安い口調に私が慌てていると
「かまわぬ、聞かせよ」
と、麗覇様が私を手で制止して続きを促した。
「いやぁ、実はアタイにしっくりくる武器が無くて悩んでいるんですよ〜、とわいえ丸腰で護衛は出来ないからこうして一応帯刀してるんすよね」
「フム……」
「ぶ、文ちゃん!!」
彼女の言葉を聞いた麗覇様は、顎に手をやり少し俯いて何かを思案しだしたので、私はその隙に親友を諌める。
「え? アタイなんかまずい事言ったか?」
「敬語忘れてるよ!」
「あはは、いいじゃん別に、麗覇様気にしてないみたいだし」
「私が気にするの!」
「……何で?」
「ぶ、ん、ちゃ、ん?」
「へいへーい」
文ちゃんが軽く拗ねながら返事した頃、思案を終えた麗覇様が声をかけた。
「では、我が側近になった記念として二人に武器を授けようぞ!」
「「え!?」」
袁家次期当主から武器を授かる。ここに仕えている忠臣達が夢見るような提案に、私と文ちゃんは思わず口を開きながら唖然とする。
そんな私達を見た麗覇様は、何故か柔らかい笑顔で笑っていた。
「い、いいんです
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