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ロード・オブ・白御前
もう一つの運命編
第13話 幕開け
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離し、彼の目を真正面から覗き込んだ。

「ただし、俺以外はそうじゃない奴もいるかもしれないから、その人たちにはちゃんと今みたいに謝れよ。ペコとか、ラットとリカとか。できるよな?」

 言い方は問いかけだが、いい意味で有無を言わせぬ笑顔の紘汰。光実ならできると信じているゆえの笑顔だ。

「……紘汰さんも裕也さんも、意外なとこで厳しいですよね。知りませんでした。似た者同士だったんですね、二人」
「そうか?」
「俺込み?」

 裕也は紘汰と顔を見合わせた。

 光実はくすくすと、裕也たちが知る限りでは本当に久しぶりに、純粋な笑みを零した。





 風が長い黒髪を吹き上げる。巴は髪を押さえながら、斜陽の街を見やった。

 ――人質は救出できた。碧沙を救い出せた。初瀬は城乃内と、光実は紘汰と向き合おうと一歩を踏み出した。

 だが、まだ終わっていない。胸にはそんな予感があった。

 本当の運命の戦いは、これから始まるのだと。






【ロード・オブ・白御前 ?完-】
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