貴方の背中に、I LOVE YOU (前編)
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写っていた。良く見ると、女性は女中サトで、男性は、進駐軍のジープの運転手のロバートだった。手紙には[若奥様、ご無沙汰しております。同封した写真は、私の家族と家の写真です。今、私は、アメリカの西海岸ワシントン州北部のシアトル市に、住んで居ます。この町は、航空機産業が多い町です。私の主人も、今は軍を辞めてからは、航空機関連の会社に勤めて居ます。写真に写っている子供の名前はジョン(John)とダニエル(Daniel)とアンナ(Anna)で、犬はホタル(Fotal=Firefly)です。私達と子供達とは、血の繋がりは有りません。全て養子です。ジョンとアンナは日本人の兄妹で、ロバートが日本に駐留して居る時に、拾いました。ダニエルは韓国人です。ロバートが朝鮮動乱で朝鮮に派兵されたと時に、ダニエルが抱きかかえて居た犬と一緒に拾いました。子供達の名前は、早くアメリカ社会に順応して欲しいと、ロバートの意向で英語名に改めました。犬は、大旦那様の造った合祀の墓に因んで、ホタル(Fotal)と、私が名付けました。ホタルはFireflyでは無く、あえて、日本語読みでFotal(ホタル)と、呼んでいます。ロバートの運転で黒川商店に行った時、私は若奥様と会いました。ビックリしました。でも、私は自分を名乗る事が、出来ませんでした。私はロバートに、黒川商店に行っても、「私の事は、絶対に話さないで」と、口止めしておきました。若奥様が、駐留軍に行ってロバートに、手紙を読んで貰った事や、正義様の、石碑の写真の事も聞きました。ロバートは、とても感動したそうです。黒川商店に、ジープで乗り付けた時、同乗して居たのは、ロバートの上司のブラウン中佐(Brown)です。あの当時、私はブラウン中佐と、付き合って居ました。でも、彼は私を置いて、アメリカに帰任してしまいました。彼にはアメリカに、妻子も有った様です。途方に暮れていた処に、声を掛けてくれたのが、今の私の主人、ロバートです。当時、彼は一等兵でした。彼は、とても優しい人間です。彼に大旦那様と事も話ました。とても、感動して居ました。私の生い立ちの事も、話ました。彼は、同情して、涙を流してくれました。ある日、ロバートが浮浪児(戦災孤児)だったジョンとアンナを連れて来て「駐留軍の基地内では、育てられないから、サトさん、貴方が育てて下さい。子供達の生活費は、僕が負担します。お願いします」と言って、私の安アパートに、子供達を置いてきました。それから、彼は毎日の様に、私の安アパートを訪れ、二人の子供達と遊び、金品を置いてきました。暫くしてからロバートは、朝鮮戦争に派兵されました。一年位、過ぎてから彼は、浮浪児(戦災孤児)と犬を連れて、私の安アパートに戻って来ました。「ダニエルです。犬と一緒に朝鮮で拾いました。これから私達で、責任を持って、三人の子供を育てましょう。僕は
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