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東方大冒録
命蓮寺と、兎の願い。
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いことには始まらない。お前は今まで実力行使でしか異変を解決したことがないからそう言うんだろうけどさ」
「そりゃあ、まぁ、妖怪相手だし、どうせ聞く耳なんて持ってくれないと思っていたから、実力行使でしか解決はしなかったけど……」
「だが、聞く耳を持ってくれないのはただの霊夢の思い込みなんだろ?」
「ま、まぁ……」
「なら、やってみる価値はあるだろ? 答えがまだないんだからさ。どうだ?」
「どうって言ってもねぇ……」

霊夢はいまいち暗基が言っていることを受け入れられなかった。今まで自分は妖怪を相手に実力行使でねじ伏せてきた。確かに、一時は話し合いによって解決することもできたらいいと考えたこともあった。戦うことは正直自分にとっては面倒なものであったからだ。だが、環境がそれを許さなかったというのもあった。
妖怪に関して何かがあれば人里の者たちが自分に助けを求め。
助けを求めなかったとしても、遭遇すれば見境なく襲いかかってくる。
自分も生きるため、自分の生まれ持つ能力と、巫女としての能力で戦い、倒す。
そして、別に嬉しくもない、ありきたりな感謝の言葉を述べられる。
それを今まで、そしてこれからもずっと続くと思っていたことが、外の世界からやってきたというよくわからない男によって変えられようとしているのだから。

「私は、今回はぜろのやり方に賛成だ」

魔理沙が声を上げる。

「魔理沙!? あんた本気で言ってんの!?」
「本気だぜ。だって、アイギスは今は敵だけど、かつては家族だったんだ。家族のことを何とかするのが、家族の仕事だろ?」
「たしかにそうかもしれないけど……」
「私も零に賛成ね」

霊夢が何とか言い返そうとした時、咲夜も零に賛成した。

「咲夜まで!?」
「優理亜が自主的にこの異変を起こしているのであれば、零の意見は却下したわ。でも、今回は違う。そのアイギスという者がどのような目的があってこの異変を起こしているのか、私にとってはどうでもいいことだけど、きっと何か特別な事情がある。もしかすると、お嬢様が異変を起こしたきっかけよりも、ずっと重い何かがね。だから、どんな理由であれ、今回は実力行使はあまりよくないと思った。それだけよ」

冷めたような口調で咲夜が言う。

「……、もう、あんた達何なのよほんとに……。もう、わかったわよ。今回はもう零のサポートしかしないから。勝手にしなさいよ……」

霊夢はもうやけくそ気味に返事をした。ここで、暗基はひとつ気になったことがあったので聞いてみた。

「咲夜って姉貴のこと嫌いなのか? こないだ俺と戦った時もそうだったけどさ」
「えぇ。嫌いよ。あいつはお嬢様と妹様に常に手をだそうとするから」
「……、うちの姉が重ね重ね迷惑をかけます……」
「全くだわ。今度あ
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